May J.ディズニーに愛された歌姫

 歌手のMay J.(27)は“ディズニーに愛された歌姫”だ。4日にディズニーの名曲をカバーしたアルバム「May J. sings Disney」を発売する。5日発売のニンテンドー3DSソフト「ディズニーマジックキャッスル マイ・ハッピー・ライフ2」のテーマソング「Sparkle-輝きを信じて-」も担当。ブレークした14年に映画「アナと雪の女王」の主題歌「レット・イット・ゴー~ありのままで~」から、ディズニー公認作品を3作歌う。その異例の抜てきの秘密を本人やスタッフに聞いた。

 “レリゴー”ブームを巻き起こした「アナ雪」で、イッキに“ディズニー歌手”の階段を駆け上がった印象が強いが、May J.のディズニー好きは3歳から始まっている。

 「記憶にある最初は『アラジン』。『ホール・ニュー・ワールド』を聴いて音楽が好きになり、歌手になりたいと思った。それ以来、ディズニーは私の親のような存在。夢を与えてくれて、信じ続ければ願いはかなうと教えて、育ててくれた」。

 一途な思いを吐露したが、この「ディズニー愛を語れること」こそが主題歌に起用される選考の最大のポイントだ。ディズニーのサウンドトラックを発売するエイベックスの担当者、藤田茂氏はディズニー主題歌起用の条件について「最終決定はディズニー側」と前置きした上で「大事なのは2つ。抜群の歌唱力と本当のディズニー愛」を挙げる。

 「主題歌を担当する歌手は、歌番組でナマ歌を披露する。ディズニーは壮大なスケールを歌い挙げる難曲が多いので、それに耐えうる歌唱力は必須。加えて、その時に作品を紹介する役も担うので、作品や世界観が本当に好きで、作品やディズニーへの愛を自分の言葉で表現できることが重要」と明かす。

 May J.の場合は“アナ雪”前にディズニーのコンピレーションアルバムに参加し、歌唱力を発揮していたことと、デビュー時から歌番組や雑誌などで常に「いつかディズニー主題歌を」と話してきたことが、関係者の胸に響いたようだ。

 それでも当時、知名度がそれほどでもなかった歌姫に白羽の矢が立ったのには、いくつかの“奇跡”がもたらしたともいえる。

 アナ雪の日本公開は14年3月。全米は前年11月に封切られており、日本は世界でもっとも遅い公開だった。May J.起用は本国公開の3カ月前、13年8月に決まったが、その頃はこの作品が、アニメ映画史上最大のヒットとなるとは予想もされていなかった。藤田氏は振り返る。

 「ディズニーの前作『塔の上のラプンツェル』のサントラが売り上げ2万枚だったから、アナ雪は3万枚はいきたい、というのが最初の目標だった。これが爆発的なヒットが分かっていたら、もっと超大物が主題歌に起用されていたかもしれない」。

 May J.には失礼だが、そこまで期待された作品ではなかったがゆえの抜てきだった。しかし、封切られた国で次々に驚異的的な興行収入をあげ、目標の売り上げはどんどん上方修正されていったという。

 一つ付け加えると公開当時、声優を務めた女優・松たか子との兼ね合いで、May J.が一部で「偽者とバッシングされたこともあったが、本国版でも声優はイディナ・メンゼルが歌い、主題歌を務めるはデミ・ロヴァートが存在していた。日本版もそれに従い、声優と主題歌は別の歌手が担当することは、当初から決まっていた。

 さて、アルバム「May J.sings-」は、「「レット・イット・ゴー~ありのままで~」のほかに「星に願いを」「美女と野獣」などの名曲をそれぞれ日本語と英語で歌った2枚組。選曲もMay J.が担当した。単独アーティスト名義によるカバー集をディズニーが公認するのは異例で、それだけ、信頼が厚い証拠だ。

 歌姫は「私は一ファンとして、ディズニーから影響を受けたことを思うがままに歌っているだけ。小さいころから聴いたイメージや世界観を崩したくないので、なるべくオリジナルに忠実に歌うことは心がけた」と話した。

 ディズニーランドやシーに行く頻度について「プライベートでは1年に1度あるかないか。1日フルで本気で遊びたいので中途半端に時間があっても行けないんです」と苦笑い。どこまでも全力な“ディズニー愛”を明かした。

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