９月２４日に胆管がんのため死去した女優・川島なお美さん（享年５４）の通夜が１日、東京・青山葬儀所で降り続く雨の中、しめやかに営まれた。通夜には長年の友人だったタレント・山田邦子や神田うの、ドラマ「失楽園」で共演した古谷一行、舞台でも数多く共演した俳優・川崎麻世、“墓友”でエッセイストの安藤和津さん、デヴィ夫人、作詞家の秋元康氏、俳優・石田純一ら友人、関係者、数多くのファンが弔問に訪れた。

　長年家族ぐるみの付き合いがあり、亡くなった直後に病院に駆けつけた山田は「最後の最後まで働いた。改めて偉かったんだなと思う」と話し、涙ながらに「あっぱれでした」と川島さんの奮闘をたたえた。

　闘病生活について「すさまじかったです。とりつかれたように頑張っていた」と回想。抗がん剤治療を拒否し、川島さんが選択した民間療法を山田が心配し「私にできることはない？」と尋ねると「ない」とキッパリ答えたことを明かし、「全部の手を尽くしたのでしょう」と顔をしかめた。川島さんは純金の棒で身体をこすり、がんを治療するという都内の治療院に頻繁に通院していた。

　途中降板した最後の舞台では、腹水がたまることに悩まされていた川島さん。山田は「毎回、たまった水を抜いていたけど、追いつかなかった。想像を絶します。痛いとかつらいとかは一切言わなかった」と痛みと戦いながら、舞台出演への執念を見せた女優魂を代弁した。

　山田は「大女優になったと思う。これからが楽しみだったのに無念。安らかに眠ってほしい」と早すぎる死を悼み、「何か、（川島さんに）引っ張られそうだけど、なお美さんだったらいい。また会いたい」と寂しがった。