大腸がんの治療のため２月１日から１カ月間演奏活動を休んでいたピアニストの中村紘子（７０）が３日、都内のホテルで会見し、現状を説明した。

　２０１４年２月、東京・虎ノ門病院で腸閉塞（へいそく）のため右腹部の腹腔（ふくくう）鏡手術を受けた際、ステージ２の大腸がんが見つかったという。その後、食事療法などを行っていたが、昨年末に体調が悪化し、がん研有明病院に転院。抗がん剤、漢方、マイクロ波などの治療を続けているという。治療しながら３月には演奏活動に復帰。現在４度目の抗がん剤治療が終わったところで、主治医からも普通の生活を送るように指導されている。今月も３回コンサートがあるほか、来年まで公演スケジュールが決まっている。

　中村は「私、元気なんですよ。体力があるし耐久力もある。一病息災と言えばいいのか、とても無事に暮らしておりまして、あと３０～４０年は生きると思ってますから、深刻なところは全然ないんです。不安もない。楽天的なんでしょうね」と穏やかな笑顔。現在も「がん細胞はたくさんあります」と明かしたが、「治らないなら共存するしかないし、治るかもしれない。くよくよ考えない」と前向きに治療に取り組んでいる。

　演奏活動を再開してからは、心配していた昔からのファンに「よかった。また良い演奏をしてください」と励まされるのが「何よりうれしい」と中村。「年齢もあるし、一期一会になるのかしらと思ったりもしますが、ベストを尽くして、できる限りの良い演奏をお聴かせしたい」と今後の抱負を語っていた。