橋下市長“大逆転”にニンマリ

 大阪市の橋下徹市長(45)の看板構想で、10月の大阪府市の両議会で否決され暗礁に乗り上げていた「大阪都構想」を巡って、30日、制度設計(設計図)を作成する法定協議会が約3カ月ぶりに大阪市役所で再開された。

 敵対していた公明党の“急転賛同”を得て、住民投票で是非を問う流れを復活させた橋下市長は、この日の法定協で、一度議会で否決された協定書案をたたき台に修正協議を行い、来年2月議会に議案提出することを提案。自民など他会派から反対意見が出たが、公明が賛成に回り、了承された。

 御用納めを終えた市役所で、頓挫寸前だった看板構想が天敵・公明の“ナゾの翻意”によって一転。大逆転の格好で、都構想実現への動きを再度つかんだ橋下市長は、会議後、ほくそ笑みとも映る笑顔を隠せなかった。

 法定協では、橋下市長が「建設的な意見なら修正に応じる」と1月13日の次回法定協で現行協定書案の修正を行い、2月議会に議案提出することを提起。

 これに自民などは「期限ありきだ」「一度議会で否決された重みを考えるべき」と時間をかけた議論継続を求めて、反発した。

 ただ橋下市長は、今月の衆院選で維新の党が大阪では比例代表で得票最多だったことを挙げ「この状況で都構想を葬り去ることは民主主義への冒涜だ」と指摘。公明議員も、現行協定書案の内容には反対としたうえで「民意に真正面から向き合い、住民投票で決着をつけるべきではないか」と主張した。

 一方で公明党が橋下市長の提案について「持ち帰る」としたが、15分の暫時休憩がとられ、松井一郎大阪府知事が「トイレ休憩の間に考えをまとめてほしい」と求めた。

 結局、休憩後に採決がとられ、公明も賛同。賛成多数で、来春の住民投票を目指す橋下案が了承された。

 大阪都構想を巡っては、12年衆院選時に選挙協力のバーターで、都構想推進を了承した公明が今年に入って反対派に回り、議論は暗礁に。橋下市長は「公明にやられたままで終われない」と今月の衆院選前に、一時、公明現職のいる選挙区に自らが出馬することを示唆し“揺さぶり”ともとれる動きをみせた。今回衆院選後、公明が突然、都構想の住民投票を容認する姿勢を打ち出し、事態が急転した。

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