巨泉「1人なら死んでた」と夫人に感謝

 昨年11月に中咽頭がんの手術を受けたタレントの大橋巨泉(80)が14日、テレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜正午)に出演、復帰を果たした。

 寿々子夫人とともに出演した巨泉は、さすがにほっそりした顔で、まずモニターを指差しながら「本当にやせちゃったな、オレ」とつぶやいた。司会の黒柳徹子は「お元気にお話をしていただけるということなので、とっても私嬉しく思っています」と出演に感謝した。

 巨泉はステージ4と告げられたがんについて、医師に「治らないものなら生活の質ってものがあるから、僕は死んでもいいですよ」と覚悟を示したという。医師は「完治します」と明言し、巨泉も治療に取り組む決意を固めた。

 手術は簡単だったものの、しかし「放射線の副作用が大変で…」と嘆いた。

 寿々子夫人は2005年の胃がん治療を思い出しながら「胃がんの時は隠してやりましたが、今回は自分で週刊誌に書いちゃいましたので、周りの方がみんな大変だねと、味方がいっぱいいるという感じでした」と周囲の支援に感謝した。

 これには巨泉も「1人なら死んでたでしょうね。持続しないですよ。1日に20時間寝てんだもん、2カ月間」と、寿々子夫人らに支えられての闘病であったことを明かした。

 その間、舌の周り、頬の内側、歯ぐきと口内炎が痛く、ひどい吐き気がし、寿々子夫人が作るスープやみそ汁が命綱だった。

 「ただただ、女房の作るスープを飲んでふた月横になってたら、16キロやせました」と72キロから一時は56キロにまでやせたことを打ち明けたが、今は4キロ戻して60キロだという。

 「大橋巨泉って昔から丸顔ですよね」と頬に指を当てた巨泉、再びモニター画面を見ながら「長いもん、今こうやってみたら」と改めて自分でも驚いた。

 最悪期には「頭蓋骨が寝てるような感じ」(寿々子夫人)というほどのやつれようだったとか。そんなとき、巨泉は「ああ、こんな生活してまで生きてるんなら死んでもいいや」とまた思った。

 ある日、寿々子夫人が巨泉の膝をつかみ「あなた、私を人殺しにしないで」と言い出した。「私の作った食べ物しか食べてないんだから、いま死んだら私が殺したことになる。とにかく食べてちょうだい」と、生きる意思を失いかけていた巨泉に迫った。

 今年2月3日、巨泉は35回目の放射線治療を受けた。それからの2週間が夫妻で振り返る地獄の日々で、さらに5キロやせた。寒い日本を逃れてニュージーランドで回復に努めた。古今亭志ん生や志ん朝の落語を聞いたり、司会を務めた「世界まるごとHOWマッチ」や「クイズダービー」のDVDを見て過ごしたという。しかし1日に20時間も寝る中では、「クレヨンしんちゃんのような悪魔がヤリを持って刺しに来る」という悪夢を再三見たという。

 今はそんな闘病を、夫妻とも笑顔を浮かべながら話せるようになった。黒柳は「お笑いになれるんだから、本当によかったですね。涙が出るくらい嬉しいです」と祝福した。

 また巨泉は番組の中で昨年、姉と妹を2人ともがんで亡くしていたことも明かした。

 巨泉は昨年11月21日に手術を受け、退院後の同28日には自宅にフジテレビ系「とくダネ!」のキャスター、小倉智昭の訪問を受け、ステージ4と診断されたがんがリンパ節など7カ所に転移していたことを明らかにしていた。手術では転移した部分を切除し、原発部位である咽頭については再入院した上で放射線治療を受けた。

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