０４年アテネ五輪女子マラソン金メダリストで日本記録保持者の野口みずき（３７）シスメックス＝が１５日、神戸市内で会見し、現役引退を表明した。

　会見での一問一答・上編は次の通り。

　（神戸市内のホテルで記者会見。冒頭に熊本の震災被災者へ向けて）

　「熊本で大きな地震が起こり、たくさんの方が大変な目に遭っていると聞きました。心よりお見舞い申し上げます」

　－まず本人から。

　「私、野口みずきは本日をもちまして、現役を引退します。理由はトップレベルの走りができなくなったこと。リオ五輪を目指してやってきたけど、２年前から心と体のバランスが悪くなった。自分ではアテネ五輪、ベルリンマラソンのような走りをしたいと取り組んできた。０８年北京五輪で故障してしまい、一度は治ったけど、そこからいろんなバランスが悪くなった。今までのような走りじゃなくなったのが、引退に至った理由です」

　（一呼吸おいて）

　「振り返ればほんとにたくさんの方々にサポートしていただいて支えられて、ほんとに幸せな陸上人生を歩んでこられた。陸上を通してたくさんの方に出会えて、陸上以外のことも学んで成長できた。感謝の気持ちでいっぱいです。（最初の実業団）ワコールに入社した時に足が壊れるまで走りたいと言って、その言葉どおり思う存分走りきれた。とてもすがすがしい気持ちです。自分の思いを達成できてよかった。リオ五輪を目標にしてきて、名古屋で夢は断たれたけど、本当に最高のレースができたと思っています。本当にみなさん、長い間応援していただいてありがとうございました」

　（涙を見せる＝中編へ続く）