卓球女子の福原愛（２６）＝ＡＮＡ＝が１１日、腰痛からの実戦復帰となるアジアカップ（インド、ジャイプル）に向け、成田空港から出発した。

　昨年１２月のツアーファイナル（タイ）から帰国後に「腰椎椎間関節障害」と診断され、治療を行った後、１月中旬から本格的に練習を再開した。２月の中東遠征で復帰予定だったが、日本人人質事件の影響で派遣中止となっていた。約３カ月ぶりとなる試合に、「コートに戻るのはすごくうれしい。練習だけだと生き地獄なので」と、腕をさすった。

　腰痛の再発を防ぐために、体幹を強くするトレーニングにも励んだ。「腹筋が割れました。見せられませんけど」。これまでも肘や足を故障してきたが、そのたびに進化して帰ってきた。「毎回、ケガをする前に戻ろうとはしていない。以前とは違う道で１００％を目指している」。その成果をアジアカップ、１８日からのヨーロッパ遠征で確認し、世界選手権（４月開幕、中国・蘇州）に向けていいイメージをつかむ。

　また、この日で東日本大震災発生から４年となった。仙台市出身の福原は、「まだ４年。今も仮設住宅に住む人がたくさんいる。少しでもいい試合をして、被災地にいいニュースを届けたい」と、気持ちを奮い立たせた。

　元通りに、ではなく、以前よりもよりよい形で－。復興を目指す被災地に、卓球女王が復活した姿を見せる。