白鵬 大鵬と並ぶ32回目の優勝

 「大相撲九州場所・千秋楽」(23日、福岡国際センター)

 横綱白鵬(29)=宮城野=が横綱鶴竜を寄り切りで下し、14勝1敗。大鵬に並ぶ歴代最多32回目の優勝を飾った。

 白鵬は5月の夏場所から4場所連続の制覇。

 負ければ相手の鶴竜と13勝2敗で並び、優勝決定戦へ持ち込まれる一番。白鵬は立ち合いから厳しい攻めを見せ、鶴竜の体を左へ回しながら、素早く左を差して右上手を引いた。そこから休むことなく、土俵際へ追い詰めると、最後は腰を割って万全の態勢で寄り切った。

 勝ち名乗りを受け、控室へ戻るときから白鵬の目にはうっすらと光るものが浮かんだ。

 控室では髪を結い直しながら、報道陣の問いかけに耳を貸し、開口一番「ホッとしてます」と言葉を吐き出した。質問が続く間、白鵬はじっと目をつぶり、感無量の表情。一言二言、懸命に発しようとするが、顔には汗とともに、涙の粒がつたった。

 第69代横綱の白鵬は7連覇などを経て、29歳と約8カ月で昭和の名横綱・大鵬の偉業に並んだ。第48代横綱大鵬(故人)は2度の6連覇などを経て、1971(昭和46)年の初場所で32回目の優勝を達成。当時は30歳と約7カ月だった。

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