ヤクルト館山が1019日ぶり復活星

3回、関根の打球にグラブを出す館山(撮影・堀内翔)
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 「ヤクルト5-1DeNA」(11日、神宮)

 3度の右肘手術を克服したヤクルトの館山昌平投手(34)が今季2度目の先発で、6回を1安打1失点で今季初勝利。レギュラーシーズンでは2012年9月25日の阪神戦(神宮)以来1019日ぶり、ポストシーズンも含めると、同年10月14日のクライマックスシリーズ1stステージ第2戦・中日戦(ナゴド)以来、ちょうど1000日ぶりとなる白星を手にした。

 頼れるエースが、不死鳥のごとくよみがえった。2013年4月、2度目の右肘靱帯断裂で戦列を離れて以来、2年ぶりに復帰した館山が、今季2度目の先発でDeNA打線をほぼ完璧に抑える快投を披露。味方の援護にも恵まれ、歓喜の1勝をつかみ取った。

 立ち上がりから140キロ台中盤の直球と、スライダー、フォークなど多彩な変化球でDeNA打線をほんろうした。初回に四球で出した梶谷に二盗後、筒香に適時打を打たれたが、許した安打はこの1本。二、三、五、六回は三者凡退に抑えた。

 久々の白星を目前にした九回は、ベンチの後列に座って戦況を見つめた。1アウトごとに笑みを浮かべつつも、緊張した面持ち。勝利が確定すると、満面の笑みで仲間とハイタッチを交わし、ファンの大声援に手を振って応えると、手渡されたウイニングボールをズボンのポケットに大事そうにしのばせた。。

 ヒーローインタビューでも、笑顔いっぱいで涙はなし。「いやー、長かったですね。本当にすいません、遅くなりました!」とファンにあいさつすると、「本当に、僕以上に長い時間だと思ったんですけど、本当に、何とか復活することができました。陽子、海音、ありがとう!」と、スタンドで涙を流しながら見守った陽子夫人(36)、長女・海音(かのん)ちゃん(7)に感謝の言葉を送った。

 長い苦悩の日々から、ようやく抜け出した館山。それでもその口からは、フォア・ザ・チームの言葉がこぼれた。「僕としては、復活できたというのもありますけど、1つの通過点として、今シーズンの優勝、そのために腕を振り続けたいです」「1019日ですか?長い間離れることになりましたが、何度手術しても、皆さんがいればこうやって戻ってくることができるんです!この声援をうけてしっかり選手みんな戦っているので、もっと大きな声援をお願いします!」と話すと、スタンドからは言葉にならない声援が沸き上がった。

 03年のルーキーイヤーから1軍で登板し、09年には16勝を挙げて最多勝。順風満帆に見える館山のプロ野球人生は、故障との戦いでもあった。

 04年の春季キャンプで右肘の靱帯を断裂し、再建手術を受けて1年を棒に振った。その後も右手の血行障害などに悩まされ、13年4月には2度目となる右肘靱帯の再建手術。14年にも2軍での登板で再び右肘を痛め、日本球界の常識を超える3度目の再建手術を敢行した。

 全治までの期間は、さらに1年積み重なった。それでも、館山の心は折れなかった。必死のリハビリを経て、今年4月29日のイースタンリーグ・ロッテ戦で実戦復帰。2軍で計7試合の先発を経て、6月28日の巨人戦(神宮)で814日ぶりの1軍マウンドを踏んでいた。

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