「ナショナルズ４－６レッドソックス」（６日、ワシントン）

　ナショナルズの小笠原慎之介投手がメジャーデビュー。三回途中７安打４失点でＫＯされて初黒星を喫した。５５球を投げてストライク３５球、ボール２０球で最速９２・６マイル（１４９キロ）。防御率は１３・５０。

　３Ａで６登板、１勝１敗、防御率４・５０の結果を残し、メジャー初昇格を決めた小笠原。初回、先頭イートンに対し、メジャー第１球、１４６キロの外角高め直球を右前は運ばれたが、２番ゴンザレスには初球カーブでストライクを取り、ファウルで追い込むと、高めスライダーで空振り三振。記念すべきメジャー初三振を記録した。

　しかし、ここから苦難の連続。３番アンソニーに２球連続ボールを投じた後に二盗を許す。フルカウントから高めスイーパーを右前適時打にされて先制点を許す。５番レフスナイダーにはカウント０-２と追い込みながら高め直球を右中間二塁打で２失点目。通算１９２本塁打のストーリーにはカウント２－１から高めスライダーを左中間席へ運ばれて４失点。マウンド上で打球の行方を見送った後、口をへの字に曲げて悔しさをにじませた。

　変化球主体の配球。二回は先頭をチェンジアップで空振り三振を仕留めた後、ラファエラにはボテボテのゴロが二塁内野安打に。ここで豪雨に見舞われ試合は中断する。１５分の中断をへて試合再開。続投した左腕は巧みなけん制モーションで一塁走者を誘い出して挟殺。死球と左前打で２死一、三塁のピンチを背負ったが、アンソニーをカウント３－１からのスライダーで一ゴロに仕留めて追加点を許さなかった。

　三回は先頭レフスナイダーをフルカウントから１４６キロ直球で右直。初回に２ランを被弾したストーリーを高めチェンジアップで中飛。２死を奪ったが、そこから二塁失策と右前打で一、三塁となったところで降板を告げられた。早足でうつむきながらベンチに戻る表情に悔しさがにじんだ。

　チームは三回に２点を返して反撃態勢に。しかし、四回以降は走者を出しながら次の１本が出ず、そのまま敗れた。

小笠原は昨オフに中日からポスティングシステムを使ってナショナルズと２年３５０万ドル（約５億円）で合意。先発ローテーション入りを目指してキャンプに臨んだが、オープン戦５登板で防御率１１・２５と結果を残せず、３Ａ降格が決まった。開幕直後には右脇腹痛で負傷者リスト入り。苦しい時間を乗り越えてこの日のメジャー初登板のチャンスをつかんだ。