前阪神・青柳晃洋 フィリーズ投手陣に入り込む余地はあるのか?“最後の1枠”をかけた厳しいサバイバルゲーム

 阪神からポスティングシステムを利用してフィリーズへ移籍した青柳晃洋投手(31)が12日(日本時間13日)からフロリダ州クリアウオーターで始まるスプリングトレーニングに招待選手として参加する。マイナー契約からの厳しいサバイバルゲーム、残された“最後の一枠”を勝ち取るためにオープン戦でアピールしていく。

 メジャーでは投手と捕手のバッテリー組がひと足早くキャンプインするのが慣例。フィリーズの場合は17日に野手組が合流し、本格的にスプリングトレーニングが始まる。

 22日に開幕するオープン戦はメジャーベンチ26人枠当落線上の選手にとっては1登板、1打席が勝負だ。マイナー契約の青柳はベンチ入りの前提となるメジャー登録40人枠にも入っていないため、登板機会が限られる中でアピールが必要となる。

 昨季のフ軍は13年ぶりにナ・リーグ東地区を制し、3年連続プレーオフ進出。22年にはワイルドカードから下剋上でリーグ優勝を果たした強豪だ。昨季の本拠地入場者数336万3712人はメジャー30球団中2位、総年俸2億2900万ドル(約355億円)は同3位。実力、人気、資金力を兼ね備えた球団なのだ。

 注目される青柳の役割。虎のエースとして21、22年に2年連続で最多勝&最高勝率のタイトルを獲得し、22年は最優秀防御率も含めて投手3冠に輝いた右腕だが、先発として起用される可能性は高くはない。

 すでに今季の先発ローテは昨季チーム最多16勝のウィーラーを筆頭に2桁勝利のノラ、サンチェス、スアレスの4人、オフにマーリンズから獲得したルザルドの5人が確定的。23年15勝のウォーカーも控えている。

 一方の救援陣は、オフに直近4年通算105セーブのロマノを新守護神として迎え、昨季60登板以上のアルバラド、ストラーム、カーカリングら7人が名を連ねる。MLB公式サイトは青柳を「スイングマン(二つのポジションをこなす選手)」と位置づけ、「ブルペンはあと1枠残されている」と伝えている。

 青柳との契約合意が発表された日、フ軍のベランディアGM補佐はこう話している。

 「私たちは彼のユニークさを気に入っている。サイドアームの投手は多くはない。彼は先発と中継ぎをこなし、経験は豊富。自分の持っているものを見せてほしい」

 今キャンプに招待された投手は12人。青柳は他の11人に競り勝ち、さらにメジャー40人枠に入っている1人を引きずり落とさなければならない。31歳ルーキーが過酷なサバイバルゲームに挑む。

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