藤浪晋太郎 大乱調のち快投で2勝目「うまく立ち上がれなかった」4回途中4失点4四球7奪三振

 ロッキーズ戦に先発した藤浪
 投手からもサインを出せるピッチコムをグラブに装着して投球練習をする藤浪(撮影・小林信行)
 ロッキーズ戦に先発した藤浪
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 「オープン戦、ロッキーズ7-8アスレチックス」(13日、スコッツデール)

 アスレチックスの藤浪晋太郎投手が4回途中4安打4失点、3四球、7奪三振。70球を投げてストライク40球、ボール30球、渡米後最速の99マイル(159キロ)を計測した。立ち上がりに制球に苦しんだが、打線の援護を受けてオープン戦3度目の登板で2勝目を挙げた。防御率は5・63。

 まさにジキル博士&ハイド氏。マウンド上に2人の藤浪がいた。

 渡米後初めて中5日の登板間隔で臨んだ3度目のマウンド。初回は制球に苦しんだ。先頭カストロに3球連続ボールからカウント3-1とし、外角153キロ速球を中前へ運ばれる。次打者にはフルカウントから四球を与え、3番マクマホンにはカウント2-1から低めのスライダーを右前打。いきなり無死満塁の窮地に陥った。

 昨季29本塁打、102打点の4番クロンをスライダーで空振り三振に斬って、立ち直ったかに見えた。しかし、メジャー13年目、通算203本塁打のムスタカスにはカウント2-2としながら落ち切らなかったスプリットを右翼線へはじき返され、走者一掃の二塁打。2ストライクからの3球目の直球は渡米後最速の159キロを計測した。

 降板後の藤浪は実績あるメジャー打者との対戦を振り返り、「(159キロ直球は)もちろん、打ち取りにいった。最後に打たれたのもめちゃくちゃ甘かったと言ったらそうでもないと思う。しっかり打たれましたね」。開幕を2週間後に控えた時点での自己最速球に「(プレーボール時の気温22度)暖かいですしね。日本のこの時期のオープン戦だと、寒い日は10度ちょっととかの日もあったりするので、気温さえ暖かければ出るのは出る」と話した。

 1死二塁からビーンを四球で歩かせたが、後続を連続三振に仕留めて追加点を許さなかった。

 初回に35球を要した藤浪が二回から見違える投球を見せる。先頭を二ゴロに仕留めると、2巡目となった1番カストロをスプリットで空振り三振、2番トグリアを外角いっぱいのスライダーで見逃し三振。13球で3人を料理した。

 初回と二回の違いを藤浪が解説する。

 「うまく立ち上がれなかった。どうしても力んだり、良くない時って三塁側に倒れていきがちと言いますか、若干、クロスステップするところが良くない方向に出る時が良くないので、それが1イニング目の途中では気づけなかったんですけど、2イニング目からそのあたりの修正ができた。自分の中で使い方みたいなのがあるんですけど、それがはまったんで、修正できて良かったなと思ってます」

 具体的な修正ポイントについては「(肩の)入れ方とか、足の出し方とか、何て言うんですかね、ちょっと感覚的なところなので、言葉にするのは難しいですね」と話すにとどめた。

 三回は先頭マクマホンをスプリットで遊ゴロ、続くクロンには3球勝負で挑み、スライダーでバットに空を切らせる。しかし、ムスタカスはカウント2-2と追い込んでから内角151キロ速球を右翼線安打。さらに暴投で得点圏に走者を背負ったが、最後は外角低めのスライダーで空振り三振に仕留めて無失点で切り抜けた。

 四回は先頭に四球を出したところで球数が70に達してお役御免。2番手投手が一塁走者の生還を許し、4失点目がついた。

 この日のテーマは変化球。「変化球を多く試せたらいいな、と。で、カウントを作っていければいいかなと思ってたんですけど。変化球は良かったんですけど、逆に初回、ストレートが定まらなくてどうしようかなと思った」と藤浪。現時点のローテーションは開幕投手有力候補のブラックバーンに続く2番手の位置づけ。この日は公式戦を見据えて初めて経験した中5日の調整には「日本でも中5日はあるので、違和感はなかったですね」と言った。

 この日は、捕手とのサイン交換で使用する電子機器「ピッチコム」を自身のグローブにも装着し、初めて自分から球種を伝えた藤浪。課題と収穫があった70球を思い返し、「まあまあ、とりあえずオープン戦なので良しとしときますか、という感じですかね」。次回の登板に向けて「フォーシームが序盤良くなかったので、やっぱり、立ち上がりからしっかりピシッと投げたい。次回はストライク先行で、ゲームを作っていけたらいいかなと思います」と気持ちを引き締めた。

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