沢村“トラウタニ”封じて勝ち試合締めた「抑えたい気持ちはもちろんある」
「レッドソックス4-0エンゼルス」(3日、ボストン)
レッドソックスの沢村拓一投手(34)が4点リードの九回から4番手で登板し、大谷をスプリットで空振り三振に仕留めるなど、1回無安打無失点でチームの勝利に貢献した。
出番は突然だった。八回裏の攻撃で主砲マルティネスがソロを放ち、リードが4点に広がったところで名前を呼ばれた。七回に続く、2度目のウオームアップ。「どんな場面でも準備することは変わらない。小さいことの積み重ねなんで」。気持ちを入れ直して今季10度目のマウンドに上がった。
先頭は前週に週間MVPを獲得した絶好調のウォード。カウント2-2から154キロ直球で遊ゴロに仕留めると、MVP3回の主砲トラウトには3球連続直球の力勝負で遊ゴロに討ち取った。
2死走者なしで迎えた打者は昨季MVPの大谷だ。「世界を代表するバッターですし、胸を借りるつもりで正々堂々と勝負しようと思ってました」。待ち望んでいた日本人打者との対決。初球は154キロ直球を引っ掛けてワンバウンド。「自分でも力んでるなって感じました」。胸の高鳴りを抑えれないまま、2球連続ボール。しかし、3球目、外角高めの156キロでストライクを取ると、さらにギアを上げた。4球目、この日最速の158キロでファウルを打たせて追い込み、最後は宝刀148キロスプリットで大谷の黒バットに空を切らせた。
「世界で成績を残している彼に対してリスペクトはもちろんある。そこに対して抑えたいという気持ちはもちろんありました」。
マウンド上でグラブをたたき、雄たけびを上げる。地元ファンの歓声を一身に浴びた。
メジャー2年目。1年目の昨季は55登板、5勝1敗、防御率3・06の成績を残した。今季はここまで勝ち星こそないが、10登板で失点したのは1試合だけ。防御率2・16と安定した投球を続けている。「周りが見えている。自分が客観的に見ても自分が今、何をしなくちゃいけないとか、何をすべきかっていうのを最優先にしてやれてるのが一番じゃないかなと思います」。昨季との違いを語った沢村が借金4で苦しんでいるチームをけん引していく。