敵軍捕手が語る 大谷サイクル安打の衝撃 「4打席で達成した集中力はすごい」

 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が13日(日本時間14日)のレイズ戦で、日本選手初となるサイクル安打の快挙を成し遂げた。偉業を最も近い場所から見ていたレイズのマイク・ズニーノ捕手(28)が、衝撃の4打席を振り返った。

  ◇  ◇

 昨季はマリナーズに在籍していたズニーノは、大谷を通算打率・172に抑えている。当日の先発左腕・ヤーブローも昨年7月の対戦で3打数無安打。データ上は“くみしやすい”相手だった。

 第1打席は一回無死一、二塁。カウント1-1から、2球目に外角低めに決まったシンカーを続けて要求した。「狙い通りの外寄りだったが、少し高かった」。低い弾道の打球が左中間席に突き刺さる。「しっかり捉えられた。左中間への打球は打者の能力の高さを証明している」。手痛い先制3ラン。大谷の特長を称えた。

 第2打席は三回の先頭打者。「前の打席で引きつけて打たれた。ストライクから外へ逃げるボールでスイングの軌道を変えたかった」。しかし、球は構えより少し上。球速134キロのカットボール。「もう少し遅ければ結果は変わっていた」。左中間への鋭い打球は二塁打になった。

 第3打席は五回2死無走者。前2打席の反省を生かす。「僕たちのアプローチは遅い球で崩すことだった」。110キロ台のカーブを連投して追い込む。だが…。フルカウントから、6球連続で要求したカーブを右翼線へ運ばれた。「狙いはよかった。ただ、もう少し外角低めに来てほしかった。うまく打たれた」。技あり三塁打に脱帽した。

 第4打席は5-3の七回1死一塁。残すは単打。「もちろん知っていた」とズニーノ。マウンドには150キロ台の直球が武器の右腕ウッド。1ボールから2球連続直球を空振りさせて追い込んだが、8球目の内寄り140キロカットを中前打。

 「詰まらせたまではよかったが、いいスイングだった。4打席で達成した集中力はすごい。大きな衝撃だった。あの若さで、しかも右肘手術から復帰した選手が達成したことは本当に素晴らしい」。

 マスク越しで大谷の偉業を目の当たりにしたズニーノがしみじみ言った。(デイリースポーツ・小林信行)

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