イチロー「気持ちはうれしいですよ」選手復帰戦適時打に大歓声

 一回の守備に就くイチロー(撮影・小林信行)
2枚

 「オープン戦、マリナーズ8ー1アスレチックス」(22日、ピオリア)

 マリナーズのイチロー外野手(45)がアスレチックスとのオープン戦に「7番・左翼」で出場し、三回に2点適時打を放つなど、2打数1安打2打点。三回に代走を送られて途中交代した。

 つまらせた打球が右翼手の前に落ちた。2点リードの三回2死満塁。この日2度目の打席に立ったイチローはカウント2-2と追い込まれながら、左腕バクターが投じた内角高め、146キロ速球を打ち返した。バットを真っ二つに折られながらも走者2人を生還させた一撃に本拠地は興奮。代走を送られ、ベンチに下がったイチローはスタンドの反応を問われると、「あのヒットではちょっと恥ずかしい。恥ずかしいというか、そりゃあ、キレイな(ヒット)の方がいいんだけどね」と言った後、「(観客の)気持ちはうれしいですよ」と心の内を言葉にした。

 「すごい緊張しました」

 消え入りそうな小さな声で振り返ったのは試合開始時の気持ちを問われた時だ。

 「最初(メジャーデビューした01年)に来た時とも違う。どれとも違う緊張感でした。緊張するのはいつものことだけど、こういう種類のものは初めて」

 9カ月のブランクを経ての選手復帰。「当然、初めてのことだから、初めての緊張感は当然と言えば当然なんですけどね。でも、こういう種類のものを味わうとはね。確かに思ってもみなかったですね」と話した。

 この日のイチローはだれよりも大きな声援を受けた。試合前のフィールドでウォームアップを始めると左翼線際のスタンドからはイチローコールが起こった。選手紹介でも一番大きな歓声と拍手があった。試合開始直前の“サイン会”ではファンが殺到。その様子を見ていた年配の女性は「ロックスター!」と声を上げた。

 二回の先頭で入った第1打席はふわふわした感じだったという。右腕ヘンドリクスがカウント1-1から投じた151キロ速球を振り抜いたが、捕邪飛に倒れた。落胆した様子でベンチに戻る背番号「51」にスタンドから拍手が送られた。

 昨年4月22日のレンジャーズ戦以来、10カ月ぶりの実戦安打。開幕メジャー入りに向けてアピールに成功したイチローは交代後のクラブハウスでこう言った。

 「この緊張感は今日だけだと思います。毎日緊張すると思うけど、これは今日だけのものと思う。次はどうゲームの感覚を取り戻すかというステップですね」

 三回まで守った左翼には一度も打球は飛んでこなかった。メジャー19年目の開幕に向けてやるべきことは分かっている。次戦から感覚を取り戻す作業に本格的に入っていく。

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