「オープン戦、マリナーズーレッズ」（１１日、ピオリア）

　マリナーズのイチロー外野手（４４）は「１番・左翼」で出場し、３打数無安打２三振。１２年７月以来、６年ぶりとなる古巣での実戦。球場内は歓迎ムードに包まれたが、快音を響かせることはできなかった。予定通り、３打席に立った後、五回の守備で交代した。

　スタンドから大きな拍手と歓声が起こった。「おかえり！イチロー！」と叫ぶ者がいた。立ち上がる者がいた。手製の応援ボードを掲げる者もいた。６年ぶりの古巣復帰。初回の打席に入った背番号「５１」をファンたちが思い思いの形で迎えた。

　積極的にバットを振った。初回の打席。左腕フィネガンに対し、ワンボールから１４３キロ速球に反応。ファウルにはなかったが、タイミングはしっかり合っていた。カウント２－２から内寄りの直球を連続でカットしファウルにした。フルカウントから８球目、外寄り高めの１４２キロ速球を自信満々に見送る。一塁へ一歩踏み出した瞬間にストライクをコール。観客席から小さなブーイングが起こる中、口を真一文字にしてベンチに戻った。

　鋭い打球は二回２死二塁の好機だ。２番手左腕クロケットに対し、カウント３－１からの５球目の速球を振り抜いたが、打球は左翼手の正面。客席からため息が漏れた。

　イチローコールが連呼されたのは四回１死走者なしの打席だ。しかし、４番手右腕シャッケルフォードに対し、フルカウントから低めの１５１キロを振ったが、バットをかすめたボールは捕手のミットに吸い込まれた。球審の方を振り向き、アウトを確認した後、渋い表情を見せた。

　イチローは７日にマリナーズと１年契約で正式合意。８日から全体練習に参加していた。あす１２日のホワイトソックスとのオープン戦も出場を予定している。