マエケンのもう一つの決め球“社交力”

その場でイラストを描く前田健太=成田空港(撮影・出月俊成)
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 広島から米大リーグ、ドジャースに移籍して、悲願だったメジャーに挑戦する前田健太投手(27)。11日の渡米前の会見後、カメラマンが絵作りにイラストを求めると「イイっすよ」とペンを滑らせた。気さくに応じるその姿は昨年まで見ていた彼、そのものだった。

 一般的にプロ野球選手はメディアに対応する“表”の部分と、素顔である“裏”を使い分ける。プロである立場を考えれば当然の対応であるが、会見での機械的な対応は人間味という点ではさみしい。

 だが、彼には裏の部分がない。昨年までカープ担当のカメラマンとして追い続けたが、素顔もメディアに出ている姿そのものだ。

 なじみの番記者に囲まれている時はもちろん、一対一で接した時、はたまたファンに対する姿、すべて同じである。

 彼を見ていると現在、巨人キャンプで臨時コーチを務めている松井秀喜氏の現役時代を思い出す。どんなメディア、ファンにも同じように接する姿は今でも語り草だ。会見でマエケンは渡米へ向け「向こうには知り合いが誰もいない」と不安を口にした。メジャーには辛らつで知られる米メディアが待ち受ける。だが、かつての松井氏がそうだったように、彼の人柄があればそれは杞憂(きゆう)に終わるだろう。

 マエケンの決め球と言えば伝家の宝刀・高速スライダー。だが、もう一つの決め球“社交力”という武器を手に右腕は海を渡る。(写真と文=デイリースポーツ・出月俊成)

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