マー君ええ粘り!強力ブ軍打線に1失点

 「オープン戦、ヤンキース7‐4ブレーブス」(16日、タンパ)

 ヤンキース・田中将大投手(25)は16日(日本時間17日)、ブレーブスとのオープン戦に先発し、4回1/3を投げて3安打6奪三振1失点。オープン戦初の四球を与えるなどして75球の球数制限で予定の5回を投げ切ることはできなかったが、持ち前の粘りで最少失点に抑えた。次回は22日のツインズ戦を予定している。

 口をへの字に結んだ。降板する直前に一瞬、悔しい表情を見せた田中将を待っていたのはファンの大きな歓声と拍手だった。中には立ち上がる観客もいた。「うれしかったですけど、投球内容はそんなに良くなかった。どうしたらいいのかわからなかった」。右手で帽子のひさしに触れ、控えめに感謝の気持ちを表現した。

 オープン戦3度目の登板。ブレーブス打線の顔ぶれを見てテンションが上がった。1番ヘイワード、3番フリーマン、2番と4番にアップトン兄弟。「レギュラークラスがたくさんいるな」。テレビで見ていたスター選手がずらりと並んだ。

 三回まで5奪三振。得点圏に走者を背負いながらスプリットでピンチを脱した。抜群のキレと制球を見せたスライダーには「こっちに来て一番よかった」と自画自賛した。

 反省したのは四回だ。2死からこの日2つ目の四球を与え、7番のマイナー打者に左越え適時二塁打を浴びた。強風に乗った打球はフェンス最上部直撃の当たり。「四球は一番余計でしたし、風の強い中でフライを打たせてしまった。状況に合わせた投球をしていかなければいけない」。三回からボール球が多くなったことには「フォームの部分で少し早くなっていた」と解説した。

 それでも試合は壊さなかった。「1失点で粘れたのはまずまずよかった。粘りは自分の持ち味でもある」。スタンドの反応が好投の証しだ。

 この試合のためにパナマ遠征を取りやめた正捕手のマキャンは「日本での経験を生かしている。まだ25歳なのにただ者ではないよ」と舌を巻けば、キャッシュマンGMは松井秀喜氏の1年目を引き合いに出し「順調にきている。古くからいる選手のようだ」と話す。

 次回登板は22日(同23日)のツインズ戦。公式戦でも顔を合わせる同じア・リーグの所属チームと初めて対戦する。開幕まであと16日。田中将がまた一段ギアを上げていく。

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