【朝ドラブラッサム】母はなぜ「珠様」呼びをやめなかったのか──国仲涼子が語る、リョウと珠の特別な絆
明治・大正・昭和・平成を生き抜いた作家・宇野千代をモデルに、主人公・葉野珠(石橋静河/幼少期:村上蘭)の激動波乱の人生を描いた連続テレビ小説『ブラッサム』(NHK総合ほか)の第1週が放送された。
「私の父、私の母」という週タイトルが物語るように、第1週では珠の人生の基盤となる家族の物語が色濃く描かれた。2歳で実母を亡くした珠は、放蕩無頼で理不尽な父・清治(渡部篤郎)に振り回され、継母・リョウ(国仲涼子)からはたっぷりの愛情を注がれて育った。
ある日、清治が大切にしていたカナリアを誤って籠から逃してしまったリョウは清治から怒鳴りつけられ、下の小さな子どもたちを連れて実家へと逃げる。珠は必死になってカナリアを探すが、見つからない。そして大好きな「お母(かか)」を迎えにいく──。
■ 「血のつながりがない」ということを出したくなかったリョウを演じる国仲涼子が取材に応じ、第1週で描かれた「母娘の絆」について語った。血のつながりこそないものの、特別な信頼関係で結ばれているリョウと珠。ふたりの間柄について国仲は、
「第1週は家族の関係の土台作りの週ですので、大切に演じたいと思いました。監督とも相談して、私自身はお芝居のなかで『血のつながりがない』ということを出したくないという気持ちでいました。最初は、珠だけ『様』をつけて呼ぶ台詞に違和感があったんです。本当はリョウのなかで実の子じゃないという意識がどこかにあるのかな?と感じて、引っかかっていました」と語る。
■「珠様」呼びは“あなたは特別な存在”という証しかし国仲は、役への理解を深めていくなかで「珠様」呼びの設定をむしろプラスに捉えるようにしたといい、「とにかく『珠様』呼びがマイナスに作用しないようにと心がけて、『あなたは特別な存在なんだよ』という気持ちに切り替えていきました」とコメント。
10月2日に放送された第5回でひときわ心に残ったのが、心配して迎えにきた珠に向かってリョウが、「これからは『珠』て呼ぼうかね。『珠様』いうて呼んだら、また不安にさせてしまうじゃろ」と語りかけるシーン。
母の言葉に珠は「『珠様』がええ。これからもずっと『珠様』がええ」と返し、呼び方がどうであろうと2人の絆は変わらないという描写がなされていた。
■「呼び方問題」を超越し、本当の母娘に近づいていった2人この、珠とのやりとりの背景にあるリョウの心情についてたずねると、国仲は、
「第2回の蔵のシーンで珠が『「珠様」は大袈裟じゃ』と、呼び方への違和感と不安を口にしたとき、リョウは『やっぱりな。言われたな』という気持ちが大きかったと思います。でも、第5回で珠は『ずっと「珠様」がええ』と言ってくれた。ここでふたりはさらに本当の親子に近づいて、絆が深まっていったんじゃないかと思います」と分析。
第5回のラストシーンでは、石橋静河が演じる高等女学校4年生になった珠が登場。これからはじまる珠の紆余曲折の人生を、母のリョウは愛を持って見守っていくことになる。
取材・文/佐野華英
(Lmaga.jp)
