【あすから夜限定作品が登場】草間彌生さん《南瓜》、非公開の「風の教会」も…歩いて巡る『神戸六甲ミーツ・アート』
神戸・六甲山上を巡りながらバラエティに富んだ現代アートの作品を楽しめる、関西最大級の芸術祭『神戸六甲ミーツ・アート2026 beyond』。17回目となる今回は、62組のアーティスト作品を展示。国際的な巨匠から期待の若手まで、山の中に点在するさまざまなアートに、散歩気分で出合えるイベントだ。
■ 草間彌生《南瓜》も…花と緑に溶け込むアート主な会場となるのは「ミュージアムエリア(ROKKO森の音ミュージアム&六甲高山植物園&新池)」「風の教会エリア」「六甲ガーデンテラスエリア」「天覧台」の4カ所。今年はそれぞれのエリアごとにテーマが設けられており、場所に応じて異なる感覚を刺激されるのが、ひとつの見どころとなっている。
「場所に身体を置き、周囲の気配や変化を受け入れる」という考えを軸に韓国のムーダン文化から着想を得た「六甲を宿す-Embodying Mt.Rokko」をテーマに、作品が展開される「ミュージアムエリア」は、博物館の庭や植物園という、花と緑にあふれる場所と溶け合った野外展示が中心。
8月14日に逝去した前衛芸術家・草間彌生さんの特別寄託作品《南瓜》や、前回から常設展示されている奈良美智《Peace Head》などがあり、まずは足を運んでおきたいエリアだ。
旧リゾートホテル跡地や、営業終了した宿泊施設を会場にした「風の教会エリア」は、動物&人間の獣性と向き合うことで「人とはなにか」を考えさせる、力強い作品ぞろい。建築家・安藤忠雄が手がけた初期の代表作「風の教会」も、開催期間中だけ立ち入ることができる。
■「六甲枝垂れ」が4年ぶり復活、夜は光の芸術散歩また「六甲ガーデンテラスエリア」では、三分一博志が設計した展望台「自然体感展望台 六甲枝垂れ」が4年ぶりに会場として復活。都市と山が隣接した六甲山のユニークさを、再発見できる作品群がそろっている。
“観光”をテーマに掲げた「天覧台」は、さまざまな目的を持った人が訪れる、オルタナティブな場所性を意識した展示が中心。六甲ケーブル山上駅横の展望台から、神戸の街と海を見るのがより楽しくなる仕掛けが施されているのに加えて、普段は非公開の元別荘「バンノ山荘」も会場となっている。鬱蒼とした山道を抜けた向こうに、古い邸宅が夢のように現れる風景は、それだけでも劇的なのでオススメだ。
また期間中は、山中にある6カ所のカフェ・レストランで特別メニューを提供。兵庫県の食材や地元グルメを取り入れた、ここでしか食べられないメニューぞろいだ。鑑賞後も立ち寄れる店が多いので、天気の良い日は1000万ドルの神戸の夜景を眺めながら、芸術祭の余韻にひたるという、最高の1日の締め方をするのも良いのではないだろうか。
人によって解釈が変わる抽象的な作品から、大きさや色使いだけでも観る人を圧倒するもの、鑑賞者が実際に触れたり動かしたりすることで完成する参加型展示まで、何かひとつは新鮮な発見を持ち帰ることができるのが『神戸六甲ミーツ・アート』の強み。豊かな自然と観光遺産もあわせて楽しみながら、1日を過ごしてみては。
会期は11月29日までで、開催時間は10時~17時(会場により一部異なる)。ミュージアムエリア、風の教会エリアなどの有料会場の鑑賞パスポートは、当日大人4300円、子ども1800円。
9月19日以降の土日祝は、イルミネーションとアートを融合した「ひかりの森~夜の芸術散歩~」を開催し、ミュージアムエリア(新池を除く)は20時まで営業時間を延長する。
取材・文・写真/吉永美和子
(Lmaga.jp)
