5月閉館の大阪松竹座、最終公演はどうなる? 片岡仁左衛門「ギリギリにならないと」

人間国宝の歌舞伎俳優・十五代目片岡仁左衛門が「大阪松竹座」(大阪市中央区)の最終公演となる2カ月連続公演『御名残四月大歌舞伎』『御名残五月大歌舞伎』の会見を実施。出演する2作品に対する思いと、「まだまだ発展途上」だという芸への気持ちを明かした。

仁左衛門は『四月』には、歌舞伎の三大名作の1つ『菅原伝授手習鑑』のなかでも人気の高い段『寺子屋』に、松王丸役で出演(松本幸四郎とのWキャスト)。『五月』は、最後に待ち受ける大どんでん返しで高い人気を誇る『近江源氏先陣館 盛綱陣屋』で佐々木盛綱を演じる。どちらも武将たちの世界を描いた「時代物」の傑作で、仁左衛門も何度も演じた当たり役だ。

「『寺子屋』は襲名披露のときに、関西の役者として(原作となる)浄瑠璃の本をしっかり勉強しました。『盛綱陣屋』は、子役の頃に市川壽海のおじさんの盛綱に感化されて『いずれやりたいなあ』と思った大好きな狂言。どちらも(改訂の)筆を入れる余地がなくて、骨格がしっかりしている」と完成度の高さを語り「特に『寺子屋』は、現代人には納得できないところがあるけど、そういう気持ちを忘れて、松王丸の気持ちになっていただけたら」と希望を述べた。

また『五月』の夜の部のラストを飾る『當繋藝招西姿繪(つなぐわざおぎにしのすがたえ)』は、仁左衛門が監修を勤め、大阪と縁の深い幹部俳優たちが大挙出演するスペシャルな一幕。この内容については「松竹座、道頓堀への思いを、踊りとお話で構成しようと思っていますが、私は非常にスロースターターなので、ギリギリにならないとできないんです(笑)。お客様への感謝の気持ちを込めて、皆さんとの距離を縮める一幕にしたい」と展望を明かした。

大阪松竹座の最後の舞台になるものの「基本的には今までとそう変わらない。磨きをかけていくだけ」と気負わずに挑むというが、一方で役者となって70年以上が経つ今も「つねに途上にある」とストイックに語る。

「役者に集大成というものはないし、いくらがんばっても完成はない。松王丸は10年ぶりぐらいに演じるけど、その10年の間でいろんなものが身についてきている部分があります。それを活かして勤められれば」と、ここからまだステップアップした演技を作る意欲を見せる。

さらに「新しい歌舞伎はほかのジャンルの方もある程度できても、(今回演じる)義太夫狂言は歌舞伎役者以外にできる俳優はいらっしゃらないのでは。(『盛綱陣屋』は)1カ月フルで主役をやるのは久しぶりですが、やるからにはきっちり勤めたいです」と、最後の花道に向けた言葉を寄せた。

仁左衛門と幸四郎以外には、中村鴈治郎、中村扇雀、中村歌六、片岡愛之助(5月のみ)などが出演。『御名残四月大歌舞伎』は4月3日~26日、『御名残五月大歌舞伎』は5月2日~26日に上演。両公演とも一等席2万6000円、二等席1万3000円、三等席7000円。チケットは現在発売中。

取材・文・写真/吉永美和子

(Lmaga.jp)

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