今もっとも勢いのある舞台俳優・三浦宏規「仕事は芸事です」

「いわゆる芸能人ではないと思っている」、そう語るのは今もっとも勢いのある舞台俳優・三浦宏規。テレビやラジオに舞台など、マルチに活躍する俳優も増えるなか、着実にファンを増やしながらも「舞台だけ」にしのぎを削る実力派俳優だ。

主な出演作には『千と千尋の神隠し』や『キングダム』、先日幕を閉じた『のだめカンタービレ』での「千秋先輩」も記憶に新しく、24歳にして数々の作品をメインキャストとして渡り歩いてきた。

今回はそんな三浦に、最新出演作のフレンチロックミュージカル『赤と黒』への意気込みを訊くとともに、改めて舞台にかける思いをぶつけてもらった。「プレッシャーはそれなりにはあるけど、なんとかなる」、ときおり出る三浦の言葉(三浦節)はエネルギーに満ち溢れている。

写真/バンリ

■ 最近の活動を振りかえってみると?「出番が多いのには慣れてきたのかも、ケアすれば乗り切れる」と、最近の舞台出演を振りかえりながら三浦はこう語る。特にこの2年ほどは、メインキャストとしての出演が絶えなかったからか「良い意味で大変じゃなくなってきた」と落ち着いた様子で言う。

とはいえ、自身でも「マジでどんな人生?」と呟くほどめまぐるしい日々は続いているようで、『千と千尋の神隠し』(2022年)『ヘアスプレー』(2022年)『キングダム』(2023年)『のだめカンタービレ』(2023年)と、ダンス・歌・芝居とフルアウトで挑む作品が続いた。

「僕はほぼ舞台でやっているので、テレビに興味がないワケではないのですが、もともとはゼロ。びっくりするくらいゼロ」と三浦。「最近では、舞台以外の仕事をやらせてもらえる機会も増えてきたので、実際やってみるとその世界もおもしろくて。その世界のなかにもスゴイ人たちはいるので、チャレンジしてみたいという気持ちはあります。ただそれをやって、舞台に支障が出るくらいならやらない、そういう割合なんです」と、舞台に対する独自の考えを明かす。

「というか、僕はバレエから始まっているので自分がやってる仕事は芸能だとも思ってないような立ち位置なんですよね。『芸事』なんです。いわゆる芸能人ではないと思ってるし、そういう仕事をしているって認識はあまりないんですよね」

ここまでの地位を実力で築き上げ、持ち前の負けん気の強さとチャーミングな性格でファンも増やし続ける。だがそんな三浦は舞台を「芸事」と捉え、自ら学び、またそれを楽しもうとする。「自分の好きなことを突き詰めて、それをお客さんが好きでいてくださったらいいな。結局はそれだけなんです」、きっと観客は三浦の舞台俳優としてのスキルはもちろんのこと、そんな素直な「人となり」にも惹かれるのだろう。

■ ずばり『赤と黒』の見どころは?そして話題は、最新出演作の『赤と黒』へ。12月27日までの東京公演を経て、大阪では2024年1月3~9日に上演される。フレンチロックミュージカルと題された本作は、19世紀初頭のフランスを舞台に、聖職者にのし上がりたいと野望を抱く少年・ジュリアンを中心に、下層階級の市民とブルジョアが入り交じった混沌とした世界が描かれる。

今回三浦が演じるジュリアンを、自身では「大人っぽい色気を持っているのかな、と勝手なイメージを持っていたんですけど、そうじゃないっぽい。子犬みたいな感じ」と分析する。「ただ自分のなかに燃える野心とか、憎しみとかはすごく持っているのだけれど、『彼は大人なの?』っと聞かれると、すごく子ども」だとも。

「内容としては凄く人間関係や感情が複雑にもつれ合ったお話なのですが、フレンチロックという音楽の魔法でエネルギッシュに見せている。音楽の力が合わさることで、そんな世界に生きる人を俯瞰で見られるんですよね。そしてあえて俯瞰で見ることで、よりその社会の現状、今の社会を考えられるんじゃないかな」と、最後は同作の見どころを熱い眼差しで語る。

フレンチロックミュージカル『赤と黒』は2024年1月3~9日に「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ」(大阪市北区)にて上演。キャストには三浦のほか、夢咲ねね、田村芽実、東山光明、川口竜也、東山義久、駒田一などが出演。チケットは1万3500円、現在発売中。

(Lmaga.jp)

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