大阪で「バンクシー展」開幕、作品を街並みごと再現の「体感型」に

アート界の異端児として世界で注目されるアーティスト・バンクシーの企画展『バンクシーって誰?展』が、4月22日から商業施設「グランフロント大阪」(大阪市北区)でスタートした。

素性を明かさず世界各地の壁などに、社会風刺的な作品を残すことで知られるバンクシー。発見された作品はSNSで瞬く間に拡散され、オークション会場で高額落札された作品が自身が額に仕込んでいたシュレッダーで突如細断されるなど話題に事欠かないが、創作活動の全貌は謎に包まれたままだ。

東京で18万人以上を動員した同展は、活動の主戦場である「ストリート」に焦点をあて、傑作を街並みごと再現展示する日本オリジナル企画。海外から輸入した小物やエイジング(汚し)でリアルなサイズ感や背景にもこだわり、映画のセットのような空間を巡りながら、現地での鑑賞を疑似体験できる。

入口には、パレスチナの紛争地帯の壁に、火炎瓶の代わりに花束を投げる人物が描かれたという高さ5mにも及ぶ再現作品を展示。場内は撮影が可能で(一部の作品を除く)、コロナ禍にイギリスの坂道に描かれた大きなくしゃみをする老婆は、角度をつけるとトリックアートのように見えるとか。また、東京会場ではスタッフが誤って捨てたほどという街角のゴミや度々現われるネズミの影など細部にまでバンクシーの見た光景が広がっている。

同展プロデューサー・落合ギャラン健造氏は、「バンクシーは平和的なアートとして可視化し、負の連鎖を断ち切ろうとする人。作品の見た目はおしゃれでかっこいいのですが、その奥にある深いメッセージを感じてもらえれば」と話す。

また、人気の高いネズミをモチーフにしたステンシル画やファッションデザイナーのポール・スミス蔵の油彩画など、希少な個人蔵の額装作品も公開される。さらに、グッズ売場には、シュレッダー事件を彷彿とさせるような絵柄が変化するクリアファイル(495円)やマグカップ(2970円)、カプセルトイで人気の「コップのフチ子」(500円)など、30種以上の同展限定品がそろう。

場所は北館「ナレッジキャピタル イベントラボ」、同館「カフェラボ」にはコラボメニューが登場する。期間は6月12日まで、料金は一般2000円(土日祝は+200円)ほか。

取材・文・写真/塩屋薫

(Lmaga.jp)

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