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M-1初出場のミルクボーイ「僕らは5年サボったから、苦節12年じゃない」

『M-1グランプリ2019(以下M-1)』のダークホース的存在、ミルクボーイ。隠しきれないマッチョなボディが気になる駒場孝が振る話題に、角刈りにダブルのスーツを着た内海崇がツッコミで否定と肯定を続ける、オリジナルのリターン漫才が持ち味。芸歴12年、突如表舞台に躍り出たその理由や、知られざる本人たちの素顔に迫る。
取材・文/西村円香 写真/バンリ 撮影協力/珈琲館サモア


 

「4人の中でなら・・と、相方選びはなんとなく」(内海)

──大阪芸術大学の落語研究寄せの会というサークルで出会ったお2人が、なぜコンビを組んで芸人に?

内海「落語研究会は同期が4人くらいしかいなくて。学園祭などでライブもしていたのですが、4人から選ぶのならこいつかな・・・って」

駒場「僕らが学園祭で披露した漫才を見て、芸人を目指したという後輩ななまがりがいて。僕らよりも先に、お笑いオーディションなどを受け始めていたんです。ななまがりに、吉本の芸人養成所に入学しなくてもオーディションに合格したら吉本興業に入れる、決勝に行ったらお金ももらえると聞いて」

──両親からは反対されませんでしたか?

駒場「父親が栃木出身で真面目な人で。僕も家でふざけるタイプじゃなかったので大丈夫かと。小包に、フリーターは最後路頭に迷うみたいな本や、ネットカフェ難民なんかの良くない記事の切り抜きを一緒に入れて送ってきていた。直接言われるわけじゃないんですが、陰湿・・・でしたね」

内海「直接よりひどい!(笑)」

駒場「何年かして、母親からネットでミルクボーイについて検索していると聞いて、ちょっとは受け入れてくれたのかなって安心しましたけど」

──ミルクボーイという名前の由来は?

内海「僕が高校生の時に、『M-1甲子園』に出るためにコンビを組んで、その時にボツになった名前です」

駒場「僕も特にこだわりがなかったし、それでいこうと」

内海「ライブの日も迫っていたんで、ボツになっても気に入っていたミルクボーイに。でも、1回だけ『ジン・ウォッカ』に改名しました。コンビ名に『ん』が入っている方が売れると聞いて、浅はかな考えで・・・・。でも、先輩とかに絶対ミルクボーイが良いって言われて戻しました」

「昔はおもしろかったって言われるのは恥ずかしかった」(駒場)

──2007年にデビューして、「baseよしもと」と「5upよしもと」で活動されていたんですよね。

内海「『baseよしもと』時代は調子が良かったんですが、それからは暗黒時代でしたね。ちょっと売れてくると、お客さんももう私たちの応援はいらないでしょ~ってウケなくなるし人気も下がる。・・・でも、お客さんは関係ないんですけどね。僕らがただサボったんで」

駒場「暗黒時代はなんもしてなかったですね。僕は先輩に誘ってもらって、週6日で淡路島に行っていました。時間だけはめっちゃあったんで、先輩と淡路島でBBQを」

──暗黒時代は、どんな感じでお仕事を?

駒場「週1回劇場のオーディションを受けて、たまにテレビ番組の前説に呼んでもらって。淡路島でBBQしていたので、仕事がなくてもメシは食えるんですよね」

内海「僕は毎日競馬をしていました。土日は中央競馬、平日は地方競馬。月曜だけ、お休みをいただいてました。夕方くらいにネタ合わせするかって連絡すると、駒場が淡路島にいますって。ラッキーぐらいの気持ちで僕はパチンコへ。芸人でクズの会を作ったんですが、僕は会長って呼ばれていました」

──芸人クズの会の会長(笑)。よくぞ、その生活を抜け出せましたね?

内海「時間かな・・・。5年サボったので、やることもなくなってくる、苦節12年みたいな紹介をしてもらいますが、ただ何もやってなかっただけなんですよね。本当に12年苦節している人に申し訳ない!」

駒場「僕のなかのBBQブームも去って、淡路島に行かなくなりましたから。あと、僕は海原やすよ・ともこさんの番組に3秒ぐらい出演していたんですが、お2人はずっと漫才の話をしていて、『ミルクボーイも昔はおもしろかったって後輩に聞くわ』と言われて。きっと刺激を与えるために言ってくれたと思うんですが、昔はおもしろかったと言われるのは、恥ずい!恥ずい!恥ずい!と」

内海「恥ずかしかったですね・・・。昔は漫才中に、ほかの芸人さんが舞台袖に集まってくれて、お客さんにウケなくても舞台袖は大ウケみたいな状態があったんですが、サボっているときはだれも来てくれないし、疎遠になる。それで2017年からは、金属バットら、おもしろいと思う後輩を呼ぶ『漫才ブーム』というイベントを企画しました。僕らはトリに新ネタを披露するとだけ決めて、自分たちを追い込んでいきました」



「角刈りも筋肉もネタではいじらない」(内海)

──角刈りキャラは、そのあたりから?

内海「昔は襟足も長くして、かわいらしくしていたんですが、2014年に漫才の賞レースでまさかの1回戦落ちをして。その日の夜に、だれにも言わずに髪を剃りました。本気で漫才をやろうと決めたとき、衣装もダブルのスーツを誂えたんです。角刈りにしているのは、ダブルのスーツに合うから。先輩に、見た目で笑いを取ろうとしているのかと言われたことも。でも、ネタでは一切、角刈りについては触れたことないんです」

駒場「僕は体を鍛えているので、タンクトップ1枚になって筋肉キャラでやれとアドバイスされるけど、僕は1人の人間としてトレーニングしているだけ。芸人としてプラスになるためにやっているわけじゃないから、筋肉を面白くできる術がない。筋肉芸人なかやまきんに君さんは、もう存在自体が面白いから成立するんです」

──なるほど!強すぎる個性をあえてスルーしているのには、そんな理由が。今年、大躍進できたのはなぜだと思いますか?

内海「今年が一番がんばったというだけ。あと、ギャンブルやめました!だから、お金が急激になくなるというストレスもなくなって。今は、舞台とネタ合わせと生活のためのバイト、この3つだけ。遊びにもいっていない。2人の生活リズムを合わせ、11時から17時までバイトして、大国町の『珈琲館サモア』に集合して18時から22時まででネタ合わせして帰って寝るだけですから。ネタのこと話せるかな~っと、同じバイトもしてますが、めちゃ厳しいところで」

駒場「私語厳禁!って張り紙に書かれている(笑)。今は、ネタ合わせが終わったあとでも、思いついたツッコミをLINEで送ったりして」

内海「ボケも送るけど、おもしろくなかったら、ええなぁって言葉だけ返ってくるので、相手より上回るボケやツッコミを必死で考えますね。密なやりとりをするから、ネタが研ぎ澄まされてくるし、精度があがったのかな」

──最後に『M-1』に向けての意気込みと、ライバルを教えてください。

内海「夢みたい。テレビで見るもんやと思っていた『M-1』に出るんやって」

駒場「『M-1』ってほんまにあるんや!って」

内海「あるよ(笑)。去年なんて、三回戦から準決勝の間は舞台に立てなくて、ネタを試すところがなかった。今年は、決勝進出が決まってから、追加でどんどん舞台にも立たせてもらえている。今までは漫才する機会が少なくて緊張していたけど、やっと漫才に慣れた気がします」

駒場「あと、この人たちには勝ちたいと思っているのは、かまいたちさんです」

内海「今回みたいに、先輩の胸を借りられる機会はなかなかない。一緒に決勝に出ることができるのは、本当にうれしいですね」

(Lmaga.jp)

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