考古学LOVEのニッチすぎるグッズ、「さり気なくかわいい」歴史意匠デザインとは

奈良で活動する歴史意匠デザイナーの金田あおいさん。あまり聞きなれない肩書きだが、どんなデザインでどのような魅力があるのか話を訊いた。

屋号『時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)』として、考古学・歴史学モチーフのグッズ制作や考古学専門機関、ミュージアムなどでパネルやポスターを手掛ける金田さん。元々、大河ドラマの時代考証に興味があり、最終的には大学院修士課程まで専攻して考古学を学んだ。

そこで培われた考古学・歴史学への専門知識は、作品に遺憾なく発揮。例えば、実際に発掘現場で使う道具や、調査後の整理作業で使う道具、発掘調査の作業シーンをモチーフに縄文時代の火焔土器シルエットを表したユニークな『発掘調査/火焔土器Tシャツ』もそのひとつ。

「マコ(真弧)」「測量用ターゲットを持つ人」「レベルを読む人」など、発掘経験者でなければ、何のことかまったくわからないが、購入するとどの絵柄が何を示しているのかを解説したパンフレットが付いてくるので、ディープな考古学の世界に浸ることができる。

このように歴史意匠デザインとは、「歴史は地道な日々の作業によって象られている」との思いが込められた深いデザインになっているのだ。

作品へのこだわりを、「モノの形が時代を表現するということを忘れないようにしている」と金田さん。それは、「専門家だと(遺物や文化財の)欠片を見ただけで時代が分かるほど、変態的に面白い世界だから」と考古・歴史愛を爆発させた。

また、「デザインすることは、足元には歴史が積み重なっていて、自分もその流れのなかにいるひとりだと思い出させてくれる作業。気に入ったグッズを日常使いして、いにしえから今に至る人々の歩みに想いを馳せるきっかけにしていただけたら」と思いを語った。

周囲から「あまり考古学や歴史学をテーマにしたデザインは見かけないから、ニッチだけど面白い」との声を受け、本格的に歴史意匠デザインを追求して、今年で10年。11月26日からは、自身のデザイン作品を含め13人のクリエイターによる考古学モチーフグッズを集めた期間限定イベントを奈良で開催している。

昨今の古墳ブームも相まって、初日から客が途切れることなく来店。金田さんのファンだという40代女性も、「古墳だけでなく、実際に発掘して出てきたものがさり気なくかわいいモノになっていて面白い」とその魅力を話した。

普段はネット販売が中心なため、歴史意匠デザインを実際に手にとれる貴重な機会。「藍寧舎 期間限定ショップ」は、「ナラマチギャラリー2016」(奈良市公納堂町)で12月1日まで(昼11時~夕方5時)。

取材・文・写真/いずみゆか

(Lmaga.jp)

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