アート好き芸人「見取り図」リリー、バウハウス展を解説

『リリー先生のアート展の見取り図』第2回です。アート大好き芸人「見取り図」リリーが色々なミュージアムへ実際に観に行き、僕なりのおすすめポイントをお届けするという企画でございます。今回は、「西宮市大谷記念美術館」(兵庫県西宮市)で開催中の『開校100年きたれ、バウハウス-造形教育の基礎-』へ。

まず、「バウハウス」というのはドイツに1919年から1933年まであった工芸・デザインなどの学校です。実は、僕リリーは高校のとき、工業デザイン科に在籍していまして、まさにデザイン史という授業で学んでいました。

そこで、美術館に着いてすぐ学芸員の方に、「『バウハウス』って、ウィリアム・モリスがいた所ですよね?」と先制パンチをかましてやりました。すると「モリスはまた違う国の人ですね」と一蹴され、ただただ赤面する時間が流れました(ちなみに、モリスはイギリスです・・・)。

では、展示について話を戻します。まず驚いたのはチケット。普通、平面の紙ですよね。なんと、ここは切れ目がついてて、それを折り曲げると立体の作品になるんです! 1枚の紙だけで、どこまでデザインできるか。そんな授業が、初っぱなから体験できるこだわりようです。

展示にはパウル・クレーやワシリー・カンディンスキー(2人とも抽象絵画のすごい人です)が、授業で教えた生徒の作品などが並び、実際に学校で教えていたことを体験できるスペースも。特に体験して驚いたのは「影の色」。影っては黒色だと思っていましたが、光の色によって影の色が違うんです。そんなことまで、「バウハウス」は研究していたんですね。ここは写真オッケーなのでインスタ映えも狙ってみてください!

ちなみに、「バウハウス」のバウというのはドイツ語で「建築」という意味。その名の通り、建築をとても大事に考えており、そのなかには、家の暮らしの道具もすべて含みます。テーブル、イス、グラス、電気スタンドなどなど、私たちの生活に密接するすべてにおいて、無駄のない素晴らしいデザインを鑑賞できます。

なぜ、無駄のないシンプルなデザインかといいますと、これには時代背景が関係しています。第一次世界大戦に負けたドイツは多額の賠償金が必要に。そのためには物を売らなくてはなりません。でも、きらびやかな装飾など従来の物ではコストや時間がかかります。大量生産でき、かつ素晴らしい性能の物をデザインする必要があったんです。

そんななか、デザインというのはその物の形や色をデザインするだけではなく、その物を作るための時間、コスト、使いやすさなど、生産数も多く良いものを作れる全ての要素をデザインする事を「デザイン」だと「バウハウス」は教えてくれます(学芸員の方に聞いたのを丸パクリしました)。

展示されている「バウハウス」で作られたイスやテーブルが素晴らしい! この頃は木製が普通でしたが、こちらのイスやテーブルは、鉄やガラスを使い、超オシャレ&超モダン。なによりシンプル。これはこの時代にはありえないデザインでした。この学校の教えは、常識や既成概念を取り除き本当に良い物を作る事です。なのでこの素晴らしいデザインが生まれたんだと思います。

時代とともにデザインは常に変わり、平成~令和でいうと、電話は携帯式になり、携帯式のボタン入力から今ではボタンもなくなりタッチ画面になりました。現代も同じように常識をやぶり進化しているんです。これは「バウハウス」の教えが世界に広がった結果なんです(学芸員の方の丸パクリしました2)。人としてもっと既成概念を取り除き、進化していきたくなる展示会でした(マジメ過ぎ!?)。

『開校100年きたれ、バウハウス-造形教育の基礎-』概要

1919年に、建築家ヴォルター・グロピウスにより開校された造形学校「バウハウス」。2019年は100周年記念企画が世界各地で開催され、今回の企画展では「バウハウス」の授業に着目。工房で作られた金属、広告、舞台などの成果や資料を約300点展示。開催期間は12月1日まで、一般1000円、高大生600円、小中生400円。

見取り図の近況

堺出身の相方・盛山との「南大阪のカスカップル」ネタ集をYouTubeにアップしました。ひと言も発さない、僕の演技力を見てください。11月20日の『大阪チャンネル presents もっともっとマンゲキ~からし蓮根の日~』ほか、「よしもと漫才劇場」所属メンバーとしてさまざまなイベントに出演中、詳細は公式サイトのチェックを。

(Lmaga.jp)

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