俳優・山内圭哉と福田転球「大阪でアホなことできて幸せ」
ドラマ『あさが来た』や『獣になれない私たち』などに出演、現在は劇団☆新感線の舞台『偽義経冥界歌』に出演中の俳優・山内圭哉と、劇団☆新感線やヨーロッパ企画などの舞台でも活躍する俳優・福田転球。この2人によるユニット公演『2Cheat』の新作が、13年ぶりに上演される。多種多彩なキテレツキャラを独特の感性で生み出し、そのおかしな絡みで大きな笑いを生んできた同シリーズについて、2人に話を聞いた。
取材・文/吉永美和子
「13年間が何も役に立たんかったらアホみたい」(福田転球)
──『2cheat』を始めたいきさつは?
山内「2002年に『自力で何か舞台をやんなはれ』と言われたときに、僕が大阪一面白いと思う転球さんと、2人芝居をやろうと思いました。しかも楽屋で僕らに見せる、リミッターを外したオモロい姿を舞台に上げたいな、と」
福田「それは山内ちゃんが相手やから、上手く振り切れるんやけどね。ツッコミで、こんなに思い切り蹴ってくる奴はいない(笑)」
山内「転球さんは、台本の台詞を読むのはごっつい下手やのに(笑)、何か設定だけを与えたらベラベラと、それが憑依したようにしゃべり出すんです。不思議な役者ですよ」
──たとえば「大阪の面倒くさいおっさんを演って」とだけ言えば・・・。
山内「むしろそっちの方が、乗って演じてくれる。あと、演劇を志すんじゃなくて、演劇のスキルを利用して、ただオモロイことがしたいという感覚を共有していたのも、やりやすかった理由。でも我々も13年間いろんな経験をして、演劇のとらえ方が変わってきて」
福田「そうやね。昔は細かい所作とかあまり考えんかったけど、そこを大事に演じると、やっぱりさらにウケるってわかったし」
山内「それ考えすぎたら、逆におもんなくなるんちゃう?」
福田「でもせっかく真面目にやってきたからさあ、何も役に立たんかったらアホみたいやん、13年間が(一同笑)」
──数本のコントを上演されますが、このコントは転球さんのポテンシャルを出すためにも、きっちりとした脚本はないわけですね。
山内「そうですね。ひとつ話があったら、結末に至るまでの点はいくつか決めといて、その間は基本的には即興。稽古がこれからなんで、何をやるかはまだわかりませんけど」
福田「ただ昔のように、ずーっと高いテンションでやるのは無理ちゃうかな」
山内「まあ、年齢的になあ。まったりしたのも、1本ぐらい入れとこっか?」
「ただただ面白い、アホなことがやりたいだけ」(山内圭哉)
──転球さんは会見で、この公演を「演劇からお笑いへのアプローチ」と言ってましたね。
福田「まあ、そんな感じかもしれないですね」
山内「だから『それどういう意味や?』って聞かれてるんでしょ!(笑)でも今のお笑いの方って、演技的にすごく上手な人が多いじゃないですか?
──キャラの暗部もちゃんと描くとか、高度な演技をする人が増えてますね。
山内「コントとかコメディって、たとえば四角の物が急に丸くなるから、お客さん笑うわけで。そのためには、最初の四角をきっちり演じる方が効果的だと、お笑いの人が気づき始めたんやと思います。そのキャラがどういう人か? というのを、作り込んどかんと笑えないという。それは僕らが演劇の笑いで、ずっとやってきたことなんです」
──その演劇の人の本領を、13年間積み重ねてきた経験を踏まえてお見せしましょうと。
山内「でもその演技のスキルや、自分がやってることをちゃんと俯瞰できる能力を使って、すごいものを見せたい! ってわけじゃないんです。ただただ面白い、アホなことがやりたいだけ。だからそれが邪魔になったら省くし、有効やと思ったら使うという。そこがどうなるかは、僕ら自身楽しみですね」
福田「昔の(『2cheat』の)映像観たら、自分でもオモロいなあと思うんですよ。そんなこと、めったに思わへんのに。やっぱり山内ちゃんが引っ張ってくれるからこそで、今回もああいう感じでできたらなあと思います」
山内「久々に、本当にアホなことを大阪でやれるのが幸せやし、お客さんもいろいろ考えんと、遊びに来る気分で来てほしいです。ただ、いざ稽古を始めたら『あかん、これ何もできへんわ』ってなるかもわからへんしなあ。そうなったときは・・・払い戻そう(一同笑)」
『2cheat4』は、5月10日から19日まで「神保町花月」で東京公演、5月30日から6月2日まで「COOL JAPAN PARK OSAKA SSホール」(大阪市中央区)で大阪公演が予定されている。チケットは大阪・東京共通で前売4000円(当日4500円)。
(Lmaga.jp)
