横尾忠則が神戸で公開制作、過去の作品も多数展示

美術家が観客の前で制作するのを「公開制作」と呼ぶ。これを積極的におこなってきたのが横尾忠則だ。そんな彼の公開制作作品・約60点からなる展覧会が「横尾忠則現代美術館」(神戸市灘区)で開催中。初日の26日には、公開制作もおこなわれた。

1980年代にグラフィックデザイナーから画家へ転向した横尾。当時は絵を描くのに十分なアトリエを持っておらず、制作場所を求めてやむなく取った手段が公開制作だったという。ところが、いざ公開制作をやってみると、「人に見られることでかえって余計な自我やこだわりが消え、無心になれる」ことがわかったという。ゆえに今日までさまざまな場所で公開制作をおこなっている。また横尾は、公開制作を演劇に例える。創造の現場を見つめる観客と、その熱気やエネルギーを糧に制作する横尾。両者の間に成立するスリリングな共犯関係は、まさに一期一会の舞台と言えるだろう。

本展では演劇にならって2幕と幕間の3部で展覧会を構成。第1幕では公開制作を始めた1980年代の作品が並び、地図のない航海に乗り出した作家が放つ、圧倒的なパワー と熱量を体感できる。幕間では、1990年代、第2幕では2000年代以降の作品を紹介。彼の代表作の一つ「Y字路」をはじめとする作品が見られるほか、記録映像などの資料も豊富に展示されている。作家の制作に対する姿勢や創造のプロセスがダイレクトに伝わる、とてもエネルギッシュな展覧会だ。期間は5月6日まで、料金は一般700円。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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