坂東玉三郎「中村七之助を本当の息子のように」

歌舞伎役者の坂東玉三郎が2017年に出演した舞台『沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)』。本作がシネマ歌舞伎として映像化されるのに合わせて、大阪市内で会見が開かれた。

落城寸前の大阪城で、息子・秀頼に嫁いだ家康の孫・千姫が連れ出されようとするところに出くわし、怒りをあらわにする淀の方を演じた玉三郎。「昨年10月に歌舞伎座で上演したものですが、初日の幕が開いて10日目くらいで胃腸の調子が悪くなって・・・」と打ち明けた。

実は、「怒る芝居をすると、実際に怒っているときと同じように内蔵が硬くなるんです。びっくりしました」と、玉三郎。秀頼を演じた中村七之助が「玉三郎さんはものすごい目をしていた」と語った姿が特別映像に収められているほどだ。

また、玉三郎は秀頼という役への思いが深い。「芝居の上で自分の息子だと思える人じゃないととてもできません。私がどういう目で芝居をしているかはわかりませんが、(舞台上での七之助との距離感は)本当にすごく不思議な気がした。ただ、楽屋に戻ったら『私の息子じゃない』と思っています(笑)」と笑って話した。

シネマ歌舞伎『沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)/楊貴妃』は、2019年1月12日より全国で公開される。

取材・文・写真/岩本和子

(Lmaga.jp)

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