台湾発のヴィジュアル人形劇を再現 宝塚歌劇・紅ゆずる主演作が開幕

トップスター紅ゆずる主演の宝塚歌劇団星組公演『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀(とうりけんゆうき)』『Killer Rouge/星秀☆煌紅』が、「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で8月31日に開幕した。本公演はこの秋に台湾でも上演されるとあって、海を越えて注目を集めている。

『Thunderbolt-』は、台湾で幅広く親しまれている人形演劇「布袋劇」を基に、2016年、日台合同映像企画として制作された人気シリーズ(原案・脚本・総監修 虚淵玄)を初ミュージカル化している。

超美形の人形たちが、聖剣をめぐって戦いを繰り広げる原作の映像は、VFXを駆使した激しいアクションが満載。その舞台版とあって、照明や映像に細かな工夫を凝らし、魔術が飛び交う妖しい世界観をスピード感たっぷりに魅せてゆく。

何より髪型からメイク、衣装までリアルに再現した、キャラクターたちの登場に胸躍る。紅ゆずるは、常に煙管を手に静観する凜雪鴉(リンセツア)を、ゆったりとした歌などとともに表現。ただ者ではないミステリアスな雰囲気を見事に醸し出していた。トップ娘役の綺咲愛里は、聖剣を守り自らも剣をふるう勇ましい丹翡(タンヒ)を、ときに天然の愛らしさも見せて好演。丹翡に好意を抱く、若さみなぎる捲殘雲(ケンサンウン)は礼真琴が爽やかに演じ、丹翡とのコミカルな掛け合いでも楽しませる。

人情味溢れる流浪の剣客・殤不患(ショウフカン)を格好良く演じ切った七海ひろき、ダークなメイクからも悪の凄みが出ていた蔑天骸(ベツテンガイ)の天寿光希など、魅力的な人物が大勢出てくる物語は、続編上演を期待したくなる奥深さがある。

『Killer Rouge/星秀☆煌紅』では、今年大劇場でも上演されたゴージャスなレビューに、新たな場面を追加して展開。中国語でのナンバーや、紅ゆずるが扮する人気キャラクターの登場などで、会場は大いに沸いた。紅は2013年熱狂的に迎えられた第1回台湾公演に出演以来、台湾に深い思い入れがあるだけに、全編パワフルなレビューを成功させようという気迫に溢れていた。

大阪で8月31日~9月6日まで上演されたのち、9月13日~24日に東京で上演。第3回宝塚歌劇台湾公演は、10月20日~28日に台北にて、11月2日~5日に高雄にておこなわれる。

取材・文/小野寺亜紀

(Lmaga.jp)

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