京都の円山・四条派 木島櫻谷の動物画展

明治から昭和戦前期にかけて活躍した京都の日本画家・木島櫻谷(1877~1938)。近年、再評価の気運が高まっている彼の個展が、「泉屋博古館」(京都市左京区)で10月28日からおこなわれます。

木島は明治10年(1877)に京都・三条室町の商家に生まれ、円山・四条派の流れを汲む日本画家・今尾景年に師事しました。20代から頭角を現し、明治後半から大正期にかけて「文展」(文部省美術展覧会、日本初の公設展)の花形作家として活躍。しかし昭和初期から徐々に画壇と距離を取るようになり、衣笠の自邸で書画や詩作に没頭する隠遁的生活を送るようになりました。これが原因で彼の名は一時的に顧みられなくなります。しかし、2013年に泉屋博古館でおこなわれた個展が大きな反響を呼び、その後、知られざる作品が続々と見出されるなど、再評価されつつあります。

木島の生誕140年を記念した本展では、彼の画業で最も高く評価された動物画を中心とした約40件を展覧。代表作はもちろん、初公開の作品も多数含まれます。徹底した写生をもとに卓越した技術と独自の感性で描かれた動物たちは、深い精神性をたたえており、まるで人間的な感情を持っているかのよう。ほかにも、100年ぶりに発見された文展出品作など、見どころの多い展覧会に仕上がっています。料金は一般800円。

なお、本展とタイミングを合わせて、「京都文化博物館」(京都市中京区)2階総合展示室で『木島櫻谷の世界』を同時開催(10/28~12/24)。また、「櫻谷文庫」(京都市北区)で『木島櫻谷旧邸 特別公開』も実施されます(10/28~12/3の金土日祝)。本展で木島に興味を持った方は、ぜひこれらの会場にも足を運んでみてください。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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