敦賀気比8校目春夏連覇へサヨナラ発進

 「全国高校野球・1回戦、敦賀気比4-3明徳義塾」(8日、甲子園)

 1回戦4試合が行われ、史上8校目の春夏連覇を目指す敦賀気比(福井)が延長十回、篠原涼内野手(3年)のサヨナラ打で初戦を突破した。明徳義塾(高知)の初出場から続いていた夏の初戦勝利は16でストップ。

 頼れる主将をみんなが笑顔で出迎えた。苦しいゲームに終止符を打った篠原は、右拳を突き上げた。消えそうな春夏連覇の夢を現実へと引き戻したサヨナラの一打-。福井大会の決勝に続く“2戦連続”の劇打に「チームが一つになれた」と充実の表情を浮かべる。

 3点差を追いつき、迎えた延長十回だった。3四球でつくった2死満塁の好機。「みんなが粘ってつくってくれた」だけに、追い込まれてもファウルで粘った。「打席では余裕があった」と二塁手が一、二塁間を狭める動きが視界に入ると、「センター返しで大丈夫」。その狙い通り、低めの変化球を二遊間へはじき返した。

 「本当に、チーム全員で戦った結果だと思います」と自らの殊勲打にも仲間たちを立てたキャプテン。センバツ後、チームは停滞期に陥った。達成感からか5、6月の追い込み練習ではノーミスのノックが続かない。ランニングでも目標のタイムが切れない。

 そのうち選手同士で言い争いとなり、雰囲気はどん底まで落ち込んだ。その危機を救ったのが篠原のナインへ向けた言葉だった。

 「俺は全員で勝ちたい」

 誰よりも遅くまで練習し、常に厳しい声を選手に掛ける主将。そんな男の言葉に全員が心を入れ替え、チームはまとまった。「練習も一番遅くまでやっている。本当にすばらしいキャプテン」と称賛を惜しまなかった東哲平監督(35)。史上8校目の春夏連覇へ-。主将のサヨナラ打は必然のドラマだったのかもしれない。

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