延長50回の中京&崇徳、OB戦誓う
デイリースポーツ制定「2014年度ホワイトベア・スポーツ賞」の表彰式が6日、都内で行われた。昨夏の全国高校軟式野球選手権準決勝で4日間に及ぶ激闘を繰り広げた中京高(岐阜)と崇徳高(広島)の両軟式野球部などが受賞した。
昨年8月の第59回全国高校軟式野球選手権大会で、球史に残る延長五十回の激闘を繰り広げた中京の後藤敦也内野手(3年)と、崇徳の松田英司捕手(3年)の両主将が再会。親交をさらに深め、将来のOB戦開催を約束した。
力の限りを尽くした戦いで得たのは、大切な絆だった。自然と会話は弾み、笑みがこぼれる。「大人になったら、明石トーカロ球場でOB戦をしたい。試合後においしいビールが飲めるようになった頃に」。中京・後藤がちゃめっ気たっぷりに話すと、崇徳・松田も「喜んでやりたい」と呼応した。
あの試合から交流が始まった。大会直後の昨年9月には、中京ナインが広島土砂災害義援金の募金活動を行い、30万円以上を寄付。感動した松田はお礼の手紙を送ると、同11月にチームメートと3人で中京を訪問。連絡を取り合い、進路の相談もするようになった。新チームも3月に広島で、6月には岐阜で練習試合を行う。
後藤は進学する早大でも軟式野球部へ。専大に進む松田は「野球をやるか迷っているけど(後藤と)話していると、やりたくなってきました」と、困ったように笑った。50回を投げ抜いた中京・松井、崇徳・石岡の両投手も、進学先の大学で準硬式野球部に入部予定。崇徳では、野球の継続を希望する3年生は例年より多いという。
「多くの方に高校の軟式野球を知っていただけたのはうれしい」と後藤。全国のファンに野球の素晴らしさを伝えた激闘、生まれた友情は、両校ナインの人生の指針となっていくに違いない。
