鹿屋中央・吐合、聖地から大海原へ

 「全国高校野球・2回戦、星稜4-1鹿屋中央」(18日、甲子園)

 「海で仕事をするって男らしくてカッコイイ」。夢は父を超える漁師になることだ。鹿屋中央(鹿児島)・吐合駿一郎内野手(3年)の父・浩一郎さん(47)は祖父の代からの漁師。吐合は小学生のころから船に乗り、大型定置網漁を手伝った。

 「父は怖くて、すごく怒られた」という。寮から帰省して手伝った時にも「父から『まだ力がない』と言われました」と、まだまだ厳しい存在だ。

 そんな父も元高校球児。初めて甲子園を訪れて、遊撃を守る息子の勇姿を見届け、「夢をかなえてもらった」と目を細めた。息子の夢には「超えられるもんなら超えてみろ~」と意地を見せたが、本音は「うれしいね」。

 吐合の高校最後の夏は苦い記憶と最高の記憶とともに終わった。三回に決勝の走者を生還させる痛恨の悪送球。「守備に自信があったので悔しい」と、涙が止まらなかった。

 だが、味方を助ける好守も連発。六回には「2人で理想の守備を追求してきた」幼なじみの神田と組む二遊間で、「今までで一番だった」という併殺を完成させた。

 大学で野球を続け、卒業後に漁師を目指す。「甲子園は夢の舞台だった。悔いのない野球生活がここで終わってよかったと思う」。新たな夢を求めて、聖地から人生の大海原へ漕ぎ出す。

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