星稜・加藤、父から受け継いだ聖地の縁

 「全国高校野球・1回戦、鳴門12‐5星稜」(10日、甲子園)

 父が守った一塁は、想像していたよりずっと緊迫した空気に包まれていた。同点の七回1死満塁。一塁の守備固めで出番がやって来た。星稜・加藤峻平内野手(3年)は「大事な場面で集中した。父のことを考える余裕はなかった」と振り返った。八回には中前打を放ち、聖地に足跡を刻んだ。

 父・直樹さん(52)も星稜OB。1979年夏の甲子園メンバーで、3回戦で箕島と対戦。一塁手だった直樹さんは1点リードの延長十六回裏2死で一邪飛を落球し、結果的に延長十八回で敗れている。加藤は小さいころから、甲子園の話を聞いて育った。ワクワクした雰囲気、そして落球、敗戦。「『1球で人生やチームの運命が変わる。幸せだが残酷な場所』と言っていた」と振り返る。

 中学から星稜の付属に進み、高校で控え投手。2年秋には、打撃を生かすため一塁兼任になった。「父と一塁守備の話はしない」と話すが、映像で見たユニホーム姿の父を目標に努力した。

 アルプスで見守った直樹さんは2010年9月、箕島とのOB戦以来の甲子園。「星稜で甲子園に出てほしいという私の願いを、息子がかなえてくれた」と目を細めた。

 試合は七回、四球と三塁手のバント処理ミスから崩れ、初戦敗退。「父の言う通り、1球のミスから流れが変わった」。甲子園の思い出は、加藤にとってもほろ苦かった。「将来、自分の子供にも父の延長十八回の話や今日の試合の話を聞かせたい」。涙をぬぐいながらも、父から受け継いだ聖地との縁を感じずにはいられなかった。

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