今週は一頭入魂◎ヴェルラヴニール

 「これ見てよ」。加藤征弘調教師に差し出されたスマホをのぞき込むと、一気に血の気が引いた。先週の日曜8Rで3着に敗れたオーダードリブン。TVで見る限り、坂がこたえて止まったと思っていたが…。「違うんだよ。ゴール前で後ろの馬と接触したんだ」。そう、見せられたのはレース後のオーダードリブンの左後ろ脚。パックリと裂けて出血していた。「例え骨折していても、興奮状態にあると痛みを感じず、そのまま走りきることが多い。でも、そうじゃなかった。かなり痛かったんだろうね」。出血がひどく、動かさないようにしていると下に血がたまったと言う。「復帰まで半年は掛かるかな」とのこと。無事にターフに戻ることを今は願うだけだ。

【日曜・中山6R・3歳500万下】

 ◎ヴェルラヴニールの評価は、デビュー前から高い。「前走はスタート後の不利が痛かった。中山は問題ないし、川田君に任せたい」とのこと。直前の追い切りでは、併せ馬で軽快な走りを披露。「以前より楽に動けている。中間の調整も順調」と出来にも胸を張った。国枝厩舎3頭出しを警戒しつつも、ここは巻き返す。

【日曜・中山4R・3歳未勝利】

 ◎ヒラボクメジャーの馬っぷり、走りっぷりは間違いなくダート馬。中間、北ダートコースの調教を取り入れるなど抜かりのない態勢だ。先行力を生かして粘り込みを図る。

【日曜・中山12R・4歳上1000万下】

 経済コースを通って迎えた4角での手応えを見る限り、前走の◎ファンシーリシェスは馬券圏内は確実と思わせた。ところが、かぶせられるような勢いで馬体を合わせられるとゴール前は完全に戦意を喪失。繊細な牝馬のエスコートの難しさを改めて感じた。ただ敗因が分かっていることと、その点を踏まえて競馬をつくれる田辺なら即反撃が可能。ばらける展開のここはゴール前の強襲を期待する。

(馬サブロー美浦支局長・佐野裕樹)

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