【競輪】GP覇者浅井「1着こだわる」

 昨年のKEIRINグランプリ2015を優勝した浅井康太(31)=三重・90期・SS=をクローズアップする。賞金1億円の最高峰レースを制覇し、賞金王にも輝いた王者が、競輪界の中心として今年はどう戦っていくのか。本人の心境を直撃した。

 -KEIRINグランプリ2015優勝おめでとうございます。現在の心境は。

 「グランプリを優勝しても、特に変わったことはないですよ。年始は1月2日から練習を開始した。16日からの大宮記念で(グランプリ覇者だけが袖を通せる)1番車のチャンピオンジャージーを初めて着ました。初日から3連勝で決勝に進めたけど、決勝は深谷(知広)君のまくりを差すことができなかった。またしっかり練習をして、次は深谷君のまくりを差して1着を取れるように頑張りたいと思います」

 -選手を目指したキッカケは。

 「3歳のころ、競輪好きの父に連れて行ってもらった四日市競輪場で、見た競輪選手が格好良かったから。同じころ、スタンドを立てた母の自転車に乗っていたとき、何かのはずみでスタンドが外れた。でも、こけることなく自転車に乗れました。だから、自転車に乗る練習はしたことがありません」

 -学生時代の思い出は。

 「師匠(佐久間重光)や練習グループにしごかれましたね。ようやく競輪学校に入学できるレベルまでタイムが出てきたころに、アルバイトを始めた。ファストフード店の深夜作業で時給は1000円くらい。競輪学校で使う自転車が欲しくて頑張った。親に迷惑は掛けられなかったので、自分で稼ぎました」

 -05年7月に競輪選手としてデビュー。選手生活10年目で、競輪界の頂点であるグランプリを優勝。今後の目標は。

 「まずは初心に帰って、自分のレーススタイルを確立させたい。今年は昨年のグランプリのように、自分の勝てる展開にはめていきたい。そうすれば、G1の決勝に乗る、勝つ、グランプリに出場すると、一つずつ通過点をクリアしていけると思う」

 -最後にファンへのメッセージを。

 「グランプリを優勝できたのはファンの声援のおかげです。競輪ファンのなかには、自分のことが嫌いな人もいると思うけど、その人たちにも信頼される選手になりたい。好かれるようになれば、本当の選手になれると思うので。1着を狙うスタイルで頑張ります」

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