【競輪】“デイリー軍団”和歌山で激突

 「デイリースポーツ杯争奪戦・F1」(25日開幕、和歌山)

 競輪は選手のユニホームに広告を付けることができる。特別競輪を多く走るトップクラスの選手のほとんどは、企業などのロゴを付けてレースに臨んでいる。デイリースポーツは現在、3人の選手に依頼し“トラのしっぽ”を付けてもらっている。03年に全日本選抜競輪(G1)を制してタイトルホルダーの仲間入りを果たした佐藤慎太郎(福島)、成長著しく今後の活躍が楽しみな東口善朋、稲毛健太(ともに和歌山)の3人だが、08年に全日本選抜競輪(G1)で優勝した三宅伸が、来年1月に“トラのしっぽ”軍団に仲間入りする。彼らにデイリーのロゴを胸に付けて戦っている感想などを聞いてみた。

 08年から“トラのしっぽ”を付けている佐藤慎太郎(37)=福島・78期・S1=は、03年の全日本選抜でG1を初制覇。競輪界の最高峰レース「KEIRINグランプリ」には4回も出場している。全競輪選手(約2700人)の中から上位9人しかなれないS級S班(08年に創設。11年12月までは18人)にも名を連ねたことがある実力派。足首骨折などで低迷した時期もあったが、今年は3月立川のG1・日本選手権競輪(ダービー)で決勝に進出している。

 「G1の決勝戦に進めたけど“トラのしっぽ”を付けた当初に比べると、成績が悪くなっている。このままの成績では再来年くらいに契約解除されそう…」と、最近の成績を考えると弱気になる佐藤だが「今月のデイリースポーツ後援レースの和歌山F1や、来年はしっかり結果を残してデイリーをアピールしたい」と復活に燃えている。ほかの選手をけん制するシビアなブロック、そしてまくり兼備の決め脚はまだまだ健在。骨折した足首の違和感がなくなってきただけに、来年こそ久々のG1制覇達成へ全力を尽くすだろう。

 東口善朋(34)=85期・S1、稲毛健太(24)=97期・S1=の和歌山2人は、今年7月からロゴを付けている。東口は06年からG1に出場、12年7月の寛仁親王牌では準決勝に進出した。まだ成績にムラがあるが、しっかりと追い込めたときの伸びは素晴らしい。レーステクニックも日々進歩しているだけに、競輪王国になりつつある近畿勢で欠かせない存在になってきた。「“トラのしっぽ”を付けてからは、変なレースができなくなったし、いい緊張感を持って走れています。調子もだんだん良くなっているし、今後はもっといい成績を残したいです」と今後の活躍を約束した。

 最近の勢いなら稲毛が一番だろう。ナショナルチーム(日本代表)に在籍し、今年のアジア選手権(インド・ニューデリー)は1キロタイムトライアルで銀メダル、坂本貴史(青森)、和田真久留(神奈川)と臨んだチームスプリントで銅メダルを獲得。16年のリオデジャネイロ(ブラジル)五輪を目指すスプリンターだ。

 稲毛は本業の競輪でも頭角を現してきた。デビューしてわずか1年半でS級に上がると、昨年のG2・ヤンググランプリで準優勝、G1も9回出場している。「ちょっと前までは競技と競輪の両立で体調を整えるのが難しかったけど、最近はだいぶ慣れてきました。G1でも戦う相手に気後れすることはなくなってきたし、今後はもっとやれると思います。デイリーさんを宣伝できるように頑張ります」と自信の表情。稲毛は今後間違いなく競輪界の中心となる逸材。来年はさらに飛躍するはずだ。

 この3人が今月25~27日の和歌山F1「デイリースポーツ杯争奪戦」で激突する。果たして3人の中で誰が一番活躍…いや優勝するのか、実に楽しみだ。

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