【競輪】売り上げ好調だった2023年 さらなる競輪界の盛り上がりへ

昨年のグランプリを制した松浦悠士(撮影・佐々木彰尚)
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 「競輪記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 2023年の競輪売り上げは引き続き好調だった。22年が1兆785億8116万4900円で23年が1兆1446億1095万2600円。12月28日から30日に行われたグランプリシリーズ(立川)も3日間の売り上げ目標135億円に対して、140億9563万4200円と目標オーバーの売り上げをたたき出した。

 グランプリ当日は競輪場に多くのファンが来場。競輪の盛り上がりを肌で感じた。この盛り上がりを維持、そして加速していくためには、競輪業界が一致団結いくしかない。

 そのために選手、運営、報道がやるべきことを整理していきたい。

 まずは選手。選手ができることはただ一つ。車券を買ってくれたファンの期待に応えるレースをする。ただこれ一点。これが一番のファンサービスだと思う。競輪はギャンブル。車券の売り上げが選手の賞金、社会還元、施行自治体の収益などにつながっている。車券を買ったファンをがっかりさせるレースが少なくなることを切に願う。

 続いて運営。ここは改善点がいろいろある。まずは車券。昨今の売り上げ好調の要因は民間サイトの影響が大きい。自分の周辺でも紙の車券を買う人は減っている。競輪公式投票CTCを使っている人も少ない。ポイント還元の魅力が大きい民間サイトを使っている人が大多数だ。しかし公式と民間の車券購入の締め切り時間には2分の差がある。この2分の差を無くすことができれば、車券の売り上げはさらに伸びるはず。

 もちろん主催者の本音は本場で紙の車券を買ってもらうのが一番だが、新しい競輪ファンの多くはスマートフォンで投票からレース観戦、払い戻しまでを完結させていることが多い。この流れは無視できない。競輪と同様に民間サイトが入っている地方競馬は締め切り時間をそろえている。

 CS中継やYouTubeの配信で締め切り時間が2つ出ているのは、はっきりいって分かりづらい。ここはファンファーストの気持ちに立ち、締め切り時間統一の英断を願いたい。

 レース映像も気になる点がある。競輪はギャンブルであることが大前提。レース映像のアングルはシンプルイズベスト。9選手全員の動きが一目で分かることが大事。アップなど、迫力のある画角はレース実況とは別のサイトで公開(YouTubeなど)すればいいのではないだろうか。勝負どころでの前を走る選手へのアップも理解に苦しむ。後方から仕掛ける選手を買っている人からすれば、どこから仕掛けたか分からない映像がたまにある。車券購入者に寄り添ったレース映像が第一だ。

 発走時間についても気になる点が一つある。ナイター開催で多いのが2場開催で発走時間が重なること。車券を買っているファンのことを第一に考えればこれは問答無用でなし。

 ミッドナイトの2場開催のように、区切りのいい数字(先攻が00分、20分、40分、後攻が10分、30分、50分)で発走するのはどうだろうか。

 ナイター開催は1Rを17時00分、17時10分のスタートにすれば昼間開催との時間かぶりも解消される。テンポのいい発走時間は車券購入にもつながると思う。

 そして報道。競輪記者の役割は選手とファンの架け橋だと思う。ファンが知りたいことを直接選手に聞けるのが記者。アンテナの感度は常に高めていたい。情報をデイリースポーツの紙面やネット、SNSで発信していきたい。(関東競輪担当・松本 直)

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