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【ボート】5月10日母の日に藤原啓史朗が初優勝のプレゼント

 荒井輝年、宮野仁らによって行われた藤原啓史朗の水神祭
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 「ボートレース記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 児島ボート担当も11年目。この間に大勢の選手がデビューした。私は勝手に我が子の成長を見守る母親気分。順調に出世する子もあれば、挫折感を味わう子もいる。それぞれタイプが違う。自分のペースでいいのだよと応援し続ける。それが私の楽しみなのだ。

 5月10日の母の日。13年5月のデビューから7年、藤原啓史朗(30)=岡山・112期・A1=が通算18回目の優出にしてついに初優勝を飾った。予選は2位。準優勝戦で1位の平尾崇典(47)=岡山・78期・B2=が2着となり巡ってきた1号艇。対戦相手は「鬼」ばかりでプレッシャーのかかる一戦だった。山口剛(37)=広島・91期・A1=は自在派のSG覇者、現在B2の平尾だが、SGV2。45歳のときに、6コースまくりで住之江のG1を制した実績を持つ名選手だ。

 優勝戦の時刻が近づくと私は落ち着かず、記者室の中を行ったり来たり。「何で私が緊張してるのよ。落ち着こう」と胸に手を当てる。優勝した瞬間を撮影しようと記者室の窓を開けようと準備。あまりに重くて開けられず、関係者の男性を呼んで開けてもらった。レース写真を撮ったら、ピットに入って記念撮影。時間が間に合うか、記者室からピットまでの時間を走って計測。入念なリハーサルまで行った。カメラは「お母さんが運動会で我が子を撮影できる」がコンセプトの一眼レフ。スポーツモードに設定してその時を待った。そして、強敵を相手に藤原は逃げた。一等賞だ。それっ、とカメラを構えて連写、連写。だが、その全てはピンぼけていた。

 レース写真はいい。大事なのは水神祭だ。初勝利、初優勝などの節目の勝利で行われる儀式。ピットへ走り、まず藤原へインタビューを行う。18回目にして勝ち取った優勝だが、藤原はいつも通りさわやかな笑顔。「いやぁ、うれしいっすね。でも棚ぼた的なもの。緊張はしましたけど、そこまでじゃなかったですね」とニコニコ。有名大学を卒業し、有名企業の内定をもらいながら、夢だったボートレースの世界に飛び込んだ。学生時代は優等生で一等賞もたくさんとってきたんだろうな、と思わせるスマートな選手だ。着実に一歩一歩成長を遂げている。きっとこれからもそうだろう。

 さぁ、メインは水神祭の写真。2階の記者室が一番の撮影スポットだ。水神祭が行われることを確認して記者室へ猛ダッシュ。だが、いつもより位置が低い。柱に隠れて姿が見えない。

 別角度から撮影していた人に向けて、主役の藤原が叫んだ。「平賀さ~ん、平賀さ~ん」。藤原は引退した元選手の平賀圭さんのウエアを着用し、平賀流を受け継いできた。藤原が平賀さんだと勘違いしたのは、他の選手の迎えに来ていた同行者。「平賀さんじゃないんですかぁ。これっ、面白いですか」と藤原の元気な声が響き渡る。その場にいなくても、平賀さんにその思いは届いただろう。スマートなイケメンだが、藤原は天然。確かにうけた。

 そして、肝心な写真。私の画像は全部ぼけぼけ。「一眼レフなのにぼけましたぁ」と関係者の間を走り回り、写真を提供してもらった。送ってもらったファイルを開くのにも大騒ぎ。我が子の運動会。一等賞の写真が撮れず、ご近所の奥さんやご主人にお願いして画像をもらった状態だ。全てが終わってクタクタ。自分の駄目さ加減に落ち込んだ。そんなこんなで忘れられない、藤原啓史朗の母の日の初優勝。この瞬間に立ち会えたことを心から誇らしく思う。(児島ボート担当・野白由貴子)

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