【競輪】8年目に突入したガールズケイリンの光と闇

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 2012年7月1日の平塚競輪で産声を上げたガールズケイリンが8年目に突入した。1期生33人でスタートし、今年7月にデビューした116期(ガールズ8期生)21人も加わり、総勢137人(7月28日現在)まで選手数が増えた。

 選手数の増加に伴って、脚力や、レースのレベルも格段に進歩している。3期生の小林優香(福岡)は2020年東京五輪出場のメダル獲得候補として自転車競技でも活躍している。

 そんな中で気になることがいくつかあるので現場取材を通じて思ったことを私案として提案したいと思います。

 1つはガールズグランプリ(GGP)を頂点にしたレースプログラム。3、5、8月のガールズケイリンコレクションが3回。7月のガールズケイリンフェスティバル、11月には昨年新設されたガールズグランプリトライアル(GGPトライアル)が賞金レースの軸になっている。

 昨年からGGP出場メンバー7人の決定が、11月のGGPトライアル終了まで伸びたのは大歓迎だ。しかし、GGPトライアルの2個トーナメントには疑問符がついた。GGP最後の出場枠を決めるのにグループをAとBに分ける必要があったのかと思う。GGPは誰もが出場したいレース。そのために1月からこつこつ賞金を積み重ねて頑張ってきたのに、最後の3日間で優勝した選手2人に優先出場権を与えるのはどうかと思った。ここはグループ分けをやめて、28人の1グループの中で優勝した1人にGGP出場権利を与える形でいいのではないかと思う。

 単発のガールズケイリンコレクションと違い、3日制の勝ち上がりトーナメントの優勝には意味がある。普段の開催と違い、参加選手28人が全員優勝する力を持っている中での優勝には意味があると思う。3日制で行われる夏のガールズケイリンフェスティバルと、11月のGGPトライアルの優勝者にはGGPの優先出場権を与えてもいいと思った。そのくらいガールズケイリンのレベルは上がっていて、3日制トーナメントには価値があるはずだ。

 もうひとつは代謝制度。2014年後期から始まったが、108期以降から1年半(3期)でのストレート代謝が毎期いることが残念だ。ガールズケイリンには級班の区別がまだない。男子はA級3班の格付でチャレンジからスタートできるが、ガールズ選手は日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)を卒業していきなり右も左も分からない状況の中で、前年のGGPに出場した選手と戦わなくてはならない。その中で、競走得点を上げていくのは非常に難しいと思う。

 そこでこれも私案だが、ガールズ選手に関してはデビュー後1年は代謝に関しての競走得点はノーカウントでもいいのではないかと思う。1年あれば、自分の得意な戦法も見つかると思う。現状の制度では大敗ができないため、日本競輪学校で教わってきたはずの「力を出し切るレース」はなかなかできないと思う。ノーカウントであれば自力を出していけるはず。そうなれば自然と脚力が付いてくると思うので、新人選手の成長につながるはずだ。

 これまでに代謝制度で競輪界を泣く泣く去った選手にはかわいそうだが、制度の改革を進めてもいい時期に入ってきた気がする。ガールズケイリンは競輪界の売り上げアップにつながる重要なコンテンツ。競輪界発展のために、少し立ち止まって考える時期なのかもしれない。(関東競輪担当・松本 直)

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