【ボート】地道に力をつけた富永大一が待望のA2級初昇格

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 ボートレースでは1年に2回、半年間の選考期間を経て、選手の勝率により級別が変動する。今年も7月1日から、2019年後期の適用勝率に応じた級別がスタート。上はA1、下はB2級まで昇格もあれば、降格もありと、さまざまな転機が選手に訪れる。

 福岡支部の富永大一(29)は、2009年5月のデビュー以来、選手生活10年目にして初のA2級に昇格。「10年は長かったですね」としみじみと、A級レーサーとしての喜びをかみ締める。「スタイルはそんなに変えたつもりはなかったけど、周囲の方から“乗り方とかレースの仕方が変わった”と言われますね」と実戦の場で長年培った経験が、自然と好結果を導いたようだ。

 選手としては、2016年4月、まるがめ一般戦で、デビュー初優出で初優勝の離れ業で表彰台の舞台に立った。「印象には残ってますね。自信にはつながっていたことにはなるけど、そこで過信してはダメかなと思った」と実力を過大評価はしていない。「どちらかというと一撃タイプではないですね。自分からスタートで行く方ではなく、じっくりと展開を見て着を取りに行く方が多いです」と、派手さこそ少ないが、しぶとく舟券に絡むレーススタイルが富永の魅力といえる。

 今後の目標としては「A級をキープできないと話にならないでしょうね。まずはそこから」とA2級の称号を死守する構え。「明確に見えているところから、少し上を目指して地道に行きます」と、貪欲に頂点こそ求めないが「気持ちとしては、どこに行っても挑戦者の気持ちでいきますよ」と語るように、戦う姿勢だけは決して崩さない。

 10年間と長い期間はあったが、日々の努力や地道な心掛けは、間違いなく無駄な道のりではない。福岡支部では瓜生正義や、篠崎元志、仁志兄弟。さらに西山貴浩、羽野直也といったSGや記念戦線で活躍する選手に比べて地味な航跡ではあるが、ブレークの要素は間違いなく秘めている。一歩一歩と成長を重ねていく富永の姿を、これからも応援していきたい。(関西ボート担当・保田叔久)。

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