【札幌記念】ジャックドール 新戦法で弾み重賞V2 藤岡佑も想像を上回る成長力に笑顔

 重賞2勝目をマークし歓喜する藤岡佑とジャックドール
 逃げるパンサラッサ(奥)を差し切ったジャックドール(撮影・三好信也)
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 「札幌記念・G2」(21日、札幌)

 豪華メンバーがそろった真夏の頂上決戦を制したのは、3番人気のジャックドール。これまでと違った控える競馬をして、逃げた2着パンサラッサとの競り合いを制し、重賞2勝目をマークした。3着は5番人気ウインマリリン。注目を集めた白毛馬対決は1番人気ソダシが5着に敗れ、8番人気ハヤヤッコは10着に終わった。

 新たな一面を見せた。これまで逃げて勝利を重ねてきたジャックドールが好位から差し切りV。最後までしぶとく粘ったパンサラッサを首差で退け、金鯱賞以来の重賞2勝目をマークした。藤岡佑は「秋に向けて大事な一戦だったので、いい結果を出せてホッとしています」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 レースは好発を決めたユニコーンライオンのハナを叩く形でパンサラッサが主導権を握る。前半5F通過は59秒5。平均ペースとなったが、好位4番手で折り合い、4角手前からスパートをかけてパンサラッサを競り落とした。「僕が想定していたスタートの形になったが、ひとつ誤算だったのは、ジャックドールが僕が考えていたより折り合ってくれたこと」と鞍上はうなずく。パートナーが見せた想像を上回る成長力。「それが一番の勝因ですね」と笑顔だ。

 G1初挑戦となった前走の大阪杯は5着。春は大舞台へ行くために一戦一戦が勝負で、厳しいローテーションになった。それを踏まえ、今回は目標の天皇賞・秋(10月30日・東京)に余裕を持って、万全の態勢で臨むためのレース選択をした。それは藤岡師が助手時代の師匠で、17日にこの世を去った札幌記念4勝の伊藤雄二元調教師が大切にしていた考え方でもあった。「これで秋のG1に向けて間隔がとれる。間をあければ応えてくれる馬だから」と師。リベンジの条件は整った。

 主戦は「G1を十分に勝てる素質がある馬だと思うので、一緒に頑張っていきたいです」と大舞台を意識する。G1馬5頭が出走した豪華メンバーで手にした勝利は、秋の飛躍につながる大きな1勝となる。

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