【NHKマイルC】M・デムーロ アドマイヤマーズで最高のV 令和初G1覇者に

 朝日杯FS以来のG1制覇となったアドマイヤマーズ=撮影・園田高夫
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 「NHKマイルC・G1」(5日、東京)

 令和初のG1覇者に輝いたのは2番人気のアドマイヤマーズ。鞍上のM・デムーロ&友道師は今年初のビッグタイトルで、昨年の最優秀2歳牡馬が無敗のマイル戦で輝きを取り戻した。2着は14番人気のケイデンスコールで、3着に7番人気のカテドラルが入り、3連単は41万680円と波乱となった。4位入線した1番人気の桜花賞馬グランアレグリアは最後の直線で外に斜行し、5着に降着した。

 新時代の幕開けに名を刻んだ。2番人気のアドマイヤマーズが、朝日杯FS以来のG1・2勝目。鞍上のM・デムーロは、出迎えた友道師と固く抱き合うと満面の笑みを浮かべた。同馬と挑んだ皐月賞は4着、僚馬で臨んだ天皇賞・春のエタリオウも4着。鞍上は「もう最高。令和で最初のG1を勝ちました。気持ちいいですね。スッキリです」と鬱憤(うっぷん)を晴らす今年初のG1制覇を素直に喜んだ。

 普段は速い発馬がひと息。ロスが多い外めの8枠17番にも、慌てなかった。前に行く馬が多いと見るや、道中は6、7番手で脚をため、抜群の手応えで4角へ。直線半ばで馬体をぶつけられても、ひるまなかった。右ステッキを連打し、残り約50メートルで先頭へ。「気持ちが強い馬。最後は他が来ても耳を絞って伸びた」。全7戦でコンビを組む相棒と、歓喜のゴールに飛び込んだ。

 苦しんでいた。M・デムーロにとって、ここまで今年のJRA重賞勝ちは日経新春杯(グローリーヴェイズ)のみ。G1も6戦全敗で重賞も23連敗中だった。「フラストレーションはありました。勝っていない時はつらくて苦しい」。検量室で膝をつき、十字を切って神に祈ったこともあった。

 「調子が悪いと言われる。ただ、僕はそんなことないと思っていた。いつも(調子が)いい時ばかりじゃない。悪い時もあるから」。これまでと変わらず懸命にトレーニングに励み、競馬と向き合う日々。元号が変わり、そっぽを向いていた勝利の女神がようやくほほえんでくれた。

 友道師も思いは同じだ。「ジョッキーもそうだし、うちの厩舎もG1で結果が出ていなかった。お互いに良かった」と目尻を下げる。今後はダービーをパスして休養に入る見通しで、秋は5戦5勝となった得意のマイル戦を中心に古馬撃破を目指す。

 「腰は痛くない。もっといい馬に乗りたいし、いっぱい勝ちたいネ」と体調不安のうわさを一蹴し、報道陣を笑わせたミルコ。輝きを取り戻した昨年の最優秀2歳牡馬&イタリアンが、令和の日本競馬を盛り上げていく。

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