【香港チャンピオンズデー】50歳の武豊意欲満々 海外G1・10勝目へ「いいチャンスもらった」

 「香港チャンピオンズデー・香港G1」(28日・シャティン)

 年齢を重ねても、視線は変わらずに世界を見据えていた。「ステッキ1本あれば、どこでも乗れる」と公言する武豊騎手(50)=栗東・フリー=が、香港チャンピオンズデーで、50代となって初の海外G1制覇、通算10勝目を目指す。

 コンビを組むのは、クイーンエリザベス2世C(芝2000メートル)では17年秋華賞馬のディアドラ(牝5歳、栗東・橋田満厩舎)、チェアマンズスプリント(芝1200メートル)ではナックビーナス(牝6歳、美浦・杉浦宏昭厩舎)だ。「いいチャンスをもらったね」と楽しみにする。

 ディアドラは今回が初騎乗。「去年の香港カップ(2着)もいい競馬をしていたね。ドバイ(ターフ4着)でもラストは来ていた。モレイラが“距離がもう少しあった方がいい”と言っていたし、1F延びるのはいいと思う」と距離延長で前進を期待する。ナックビーナスは17年東京盃9着以来、2度目のタッグ。「ダートで乗ったけど、スタートで滑ったね。今度は芝だから問題はないと思う」と一発を狙うつもりだ。

 日本の誇る天才は、過去に香港で2度の栄冠を刻んできた。32歳で挑んだ01年の香港ヴァーズ。ステイゴールドの豪脚を引き出し、ゴール寸前で名手・デットーリが騎乗したエーカーを差し切った。「印象深いね。1発目だったから盛り上がったよ」。続く香港マイルをエイシンプレストンが、香港CをアグネスデジタルがVと、日本勢に勢いをもたらす大きな白星だった。

 46歳で臨んだ15年の香港カップ。伏兵と見られていたエイシンヒカリを外枠からスムーズにハナに導くと、最後まで後続に影を踏まさず、1馬身差で鮮やかに逃げ切った。「香港は合うんじゃないかなと思っていた。人気はなかったけど、ひそかに狙っていたよ」と当時の記憶を呼び起こす。まさに、してやったりの勝利だった。

 過去に何度も香港に遠征し、コースや馬場傾向も把握している。「二千はスタートしてすぐにコーナーだから、外枠はツラいよね。スローペースにもなりやすい。直線は長いし、タフなコース」と分析する。「芝は少し重めで北海道的。それでいて直線は長いから日本で似たところはないかな。乗りやすい競馬場だけどね。ディアドラは初めて乗るけど、重い芝も合っていそう」と舞台を歓迎する。

 25歳だった94年、ムーラン・ド・ロンシャン賞・仏G1でスキーパラダイスに騎乗し、海外G1初勝利を飾った。あれから四半世紀-。日本競馬界の至宝は、20、30、40、50代で海外G1制覇を果たし、自らの伝説にまた新たな1ページを加える。(大西修平)

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