角居師の心に宿るウオッカの不屈の精神 「諦めなかったから勝てた」

 G1通算7勝を挙げ、顕彰馬にも選出されたウオッカが現地時間1日、蹄葉炎のため、英国ニューマーケット近郊の牧場で死んだことが3日、分かった。15歳だった。牝馬ながらダービーを勝つなど、記録にも記憶にも残るスーパーヒロイン。平成を彩った名牝が、令和の訪れを前に天へ召された。

 ウオッカで挑んだ07年ダービーは、角居師にとっても初めての夢舞台挑戦だった。「ダービーを勝たせてもらってるけど、牡馬でダービーを勝っていないんです。ウオッカは男馬みたいに強かったけどね」。師が笑ってこう表現したことがある。牝馬ということを忘れるほど、牡馬相手に強さを誇示した。

 不運に見舞われることの多い馬だった。蹄球炎を患い、3歳で挑戦するはずだった凱旋門賞を断念。同年のエリザベス女王杯もレース当日にハ行で取り消した。鼻出血による10年ドバイワールドC回避は引退の引き金となっている。

 しかしその翌年、角居師はヴィクトワールピサでドバイワールドCを制す。東日本大震災直後だった。「ウオッカから“予期せぬことが起こってもまた頑張ろう”と教わった。諦めなかったから勝てた」。海外では勝てなかったウオッカだが、彼女から受け継いだ不屈の精神は今も師の心に宿っている。

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