【中山記念】ドゥラ復帰即Vいざ世界へ

 「中山記念・G2」(28日、中山)

 昨年のダービーで2冠を達成して以来、9カ月ぶりにターフに戻ってきた1番人気ドゥラメンテが好発進を決めた。M・デムーロは5開催日連続重賞制覇で、前日に樹立した自身の記録更新。また史上2位の早さでJRA通算500勝に到達した。今後は海外遠征を見据えており、現役最強馬候補のさらなる飛躍が楽しみだ。首差2着には4番人気アンビシャスが追い込み、2番人気リアルスティールは3着だった。

 骨折明け、9カ月ぶりの実戦でも輝きは失われていなかった。3角手前から一気に進出したドゥラメンテが、残り1Fで力強く先頭へ躍り出る。アンビシャスの追撃をしのいで先頭でゴールを駆け抜けると、前年比150・6%となる3万5千人を超える中山競馬場の観衆から大きな拍手が沸き起こった。

 M・デムーロは98年の武豊の記録に並ぶ重賞施行機会5連勝、さらにJRA通算500勝も達成。「追い切りに乗った時から、ずっと自信を持っていたよ」と胸を張る。結果は首差の辛勝だが、「先頭に立ったら物見をしてしまった」と苦笑いで見た目以上の完勝を強調。昨年のダービーVから18キロ増の馬体重に、「大きくなった。真面目になったし、乗りやすくなった」と心身ともに成長した姿に目を細めた。

 注目の次走について、馬主のサンデーレーシング・吉田俊介代表は「次の木曜午後か金曜に発表します。使うとしたらドバイシーマクラシック(3月26日・メイダン)」と明言。そして「ダービーを勝った時から順調なら行かなければならない馬だと思っていました。みなさんの期待を感じているし、責任を感じています」と、あらためて凱旋門賞・仏G1(10月2日・シャンティイ)を今年の最大目標に掲げた。

 シンザン記念2着馬ジュエラーとコンビを組む、5日のチューリップ賞で重賞連勝記録更新を狙う鞍上は、始動戦を完勝で飾った相棒に「この馬はかなり強い。どこへ行ってもイケる」と言い切った。16年はいよいよ世界制覇へ乗り出す一年となる。

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