【有馬記念】エピファ中山も克服可能

 「有馬記念・G1」(28日、中山)

 ジャパンCを4馬身差で圧勝したエピファネイアが、勢いに乗ってグランプリ制覇を狙う。栗東CWで行われた24日の最終追い切りは激しい気性を封印し、終始我慢の利いた走りを披露。好気配をアピールした。自身を含めてG1馬10頭が顔をそろえるドリームレース。混迷ムードの年度代表馬争いに終止符を打つとともに、来春予定しているドバイ遠征に向けても大きく弾みをつける。

 国内最強を証明する戦いを4日後に控え、最終デモでは“静”の姿勢を貫いた。エピファネイアは栗東CWを単走。道中は新コンビを組む川田がしっかりと手綱を絞り、直線に向いてもほとんど手は動かない。大きなストライドはそのままに、最後まで我慢の利いた走りでフィニッシュした。

 はじき出したタイムは6F80秒8-37秒3-12秒4。「落ち着いていたし、リラックスして走ってくれました」。この馬が持つ激しい気性を難なく封じ込み、意のままにコントロールした鞍上が満足げにほほ笑んだ。

 衝撃の勝ちっぷりだった。今回の有馬記念にも劣らない、豪華なメンバーがそろった前走のジャパンC。行きたがるそぶりを見せつつも、乗り代わったスミヨンの巧みな手綱さばきで好位をキープし、直線半ばで反応良くスパート。追いすがる後続馬を楽々と突き放し、4馬身差の圧勝劇を演じた。前走を振り返った角居師は「すごい馬だと改めて思いました。折り合いに問題のある子ですが、しっかりと抑えて走れていたと思います」と高いパフォーマンスに舌を巻く。

 G1馬10頭が顔をそろえた暮れの頂上決戦。勝てば、年度代表馬争いでも一歩リードするに違いない。器用さが問われる中山の舞台について、トレーナーからは「走るのか走らないのか分からない。エピファには合いにくいコースかも」と弱気なコメントも飛び出したが、父シンボリクリスエスは02、03年の有馬記念覇者で、自身も昨年の皐月賞2着馬。克服は可能だろう。2500メートルの距離には「折り合いが鍵ですね」と鞍上の手腕に託す構えだ。

 夢は海の向こうにも広がる。4着に敗れた今年4月のクイーンエリザベス2世C・香港G1の雪辱を胸に、トレーナーは来春のドバイワールドC諸競走(3月28日・UAEメイダン)への挑戦プランを明言した(ワールドカップ、シーマクラシック、デューティフリーに登録予定)。母は05年にアメリカンオークス・米G1を制したシーザリオ。日本調教馬としては初となる母子海外G1制覇を見据え、まずは国内のライバルを撃破する。

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