中舘騎手ら新人トレーナー6人が誕生

 JRAは11日、15年度新規調教師合格者を発表した。ヒシアマゾン、アストンマーチャンとのコンビでG13勝の中舘英二騎手(49)=美浦・フリー、ナリタトップロードで99年の菊花賞を制した渡辺薫彦助手(39)=栗東・沖=をはじめ、6人の新人トレーナーが誕生した。

 その表情は解放感の喜びにあふれていた。中舘が2度目の受験で夢をつかんだ。「勉強中に競馬の夢は見なかったが、試験の夢はしょっちゅう。この間、関係者やマスコミの皆さんに、いろいろご迷惑をおかけしました」と頭を下げた。

 10年ほど前に調教師への転身を意識した。京都競馬で落馬して背骨を骨折。以降は体力的な厳しさを味わってきた。昨年、初めて受験したが不合格。甘くはないと再認識した。6月以降は競馬に騎乗せず、美浦トレセンの調整ルームに長時間こもって勉強に取り組んできた。

 福島、新潟などローカル競馬での活躍が印象に残る。“韋駄天”(いだてん)の異名を取ったツインターボをはじめ、逃げ馬で天下一品の技を発揮した。ヒシアマゾン、アストンマーチャンでG1を制したが、デビュー3年目(86年)でダービーに初騎乗し、3着だったアサヒエンペラーが「自分の基本となった馬。忘れられない」と振り返る。開業後は「勝たなければ中央にいられなくなる、ギリギリの線にいる馬にたくさん接してきた。そういう馬を勝たせられる調教師を目指したい」と抱負を語る。

 今後、競馬に乗る予定はない。5月25日の新潟11Rがラストライドになりそうだ。レース名は韋駄天S(トーセントレジャー=12着)。中舘らしい騎手生活のエンディング、と言えるかもしれない。

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