【ア共和国杯】北村フェイム鮮やかV

 「アルゼンチン共和国杯・G2」(9日、東京)

 天皇賞ジョッキーの手綱さばきに応えて、混戦を断ち切った。秋初戦のオールカマーでは6着に敗れたフェイムゲームが、この日は鮮やかに変わり身を発揮。スタートがひと息で中団やや後方の位置取りとなったが、鞍上が冷静にラチ沿いをロスなく誘導すると、直線半ばで馬場の真ん中に出して突き抜けた。

 「勝負どころで進路があかず四苦八苦しましたが、直線は前の馬を目標に、いい伸びを見せてくれました」と北村宏はうなずく。今年2月のダイヤモンドSに続き、3つ目となる重賞タイトル獲得。「気持ちを前に向けるのに苦労した馬。きょうは一生懸命に走ってくれましたね」と、精神面の成長を喜んだ。

 先週の天皇賞・秋をスピルバーグで見事に射抜いた鞍上は、自身最多となるJRA年間重賞5勝目。さらに、年間100勝の大台到達というおまけ付きだった。「年間100勝は続けなければ意味がない。もっと早く決めないと」とおごりは全く見られないが、昨年(101勝)の記録更新は時間の問題。玄人好みのプレーには磨きがかかってきている。

 次走は未定ながら、馬主のサンデーレーシング・吉田俊介代表は「有馬記念(12月28日・中山)は前向きに考えたい」とプランを明かす。高みを目指す人馬から、今後も目が離せない。

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